1月25日 西国22番札所「総持寺」で消防訓練を実施

更新日:2021年12月15日

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総持寺の薬師堂へ放水訓練を行う消防隊員
総持寺の消防訓練で、薬師堂からお厨子を運び出す総持寺職員
総持寺の薬師堂横から放水訓練を行う消防隊員

文化財防火デーを目前に控えた25日、茨木市消防本部は西国22番札所として知られる高野山真言宗総持寺(総持寺一丁目6-1)で消防訓練を実施しました。

目的は、文化財施設における火災対応能力の向上と、防災体制の整備や防災対策強化の再確認に加え、市民の文化財愛護に対する意識の向上を促すことも目的の一つです。

午前9時30分、「総持寺薬師堂内から出火して、強風により本堂への延焼の危険がある」と総持寺職員が市消防本部へ119番通報し、市消防署から消防車両6台22人が出動して、訓練が開始されました。消防隊が到着するまでの間にも住職らによる迅速な避難誘導と初期消火が行われ、薬師堂内にある仏像も安全な場所まで搬出されました。通報から5分後、前照灯と赤色灯を光らせた西河原分署のタンク隊が現場に到着。隊員が素早く私設防火水槽からホース延長を行うとともに、薬師堂へ向けて放水しました。同時に別の隊員が総持寺職員から要救助者等の情報収集を行い、「薬師堂から出火、文化財は搬出済み。要救助者なし。なお、本堂への延焼危険あり」と指揮隊にトランシーバーで状況報告をしました。その情報をもとに、指揮隊から各隊へ指示が入ると、順次到着したそれぞれの隊は本堂の延焼防止作業などにあたりました。

消防訓練に参加した、同寺副住職の中西隆壽さんは「総持寺の歴史は古く、また大阪府下では珍しく境内全体が文化財となっているお寺です。過去に火災が発生したこともありますので、今回の訓練を生かし、日頃から火の取り扱いには気をつけて、1000年~2000年と受け継がれるよう守っていきたいです」と、訓練の重要性を実感した様子でした。また、今回の訓練について中村警防課長は「文化財は市民の皆さんの貴重な財産です。文化財を守るため、関係者と協力して防火体制の一層の強化を図っていきます」と語りました。