茨木市を盛り上げる仕組みとは ~茨木フェスティバル協会実行委員長 谷口仁志さんに聴く~

平成28年12月7日(水曜日)午前11時~正午

対談要旨

茨木フェスティバル協会実行委員長谷口仁志さんに、「茨木市を盛り上げる仕組みとは」をテーマに、これまで開催されてきた茨木フェスティバルでのご経験も踏まえてご意見、アドバイス等をお聞きしました。 

椅子に腰掛けている、茨木フェスティバル協会:実行委員長の谷口仁志さんと茨木市長

まとめ

  • 茨木フェスティバルは市内最大イベントで、来場者は年々増えている。
  • 人のつながり、ドラマが何らかの形で生まれてほしい、という思いで開催している。
  • 「みんなで創ろうみんなのまつり」の基本理念の下、一番意識しているのは、「創ろう」であって、もっと広い分野からたくさんの方に、お客さんとしてだけではなく、何かの形で茨フェスに関わってほしい。
  • 茨木市は、人間力がすごくあるまちなので、多種多様に表現できるステージがあればあるほど良いまちになる。
  • 行政には、できない理由だけではなく、「こうすれば、できますよ」といったアドバイスをもらえるとありがたい。

対談内容

茨木フェスティバルへかける思い

福岡市長(以下、市長):谷口さんは茨木フェスティバル(以下、茨フェス)に携わられて何年になりますか。

谷口仁志氏(以下、谷口氏):茨フェスに関わり始めたのは、青年会議所に入ったときなので、2005年からです。茨フェス実行委員長を引き受けてから今年で2年目になります。2017年もさせていただく予定です。

市長:これまで実行委員長として2回の茨フェスに関わってこられて、どのような思いを持たれましたか。

谷口氏:やはり祭りというのは、定型化といいますか、継続性というのが非常に重要です。毎年同じ時期に、同じ場所で、同じようなことをやっているという安心感が必要と思っています。
ただ一方で、その年、その年のトレンドを取り入れながら、市民の人にさらに楽しんでいただければ、という思いでやっています。来場者数は年々、増えています。夜にはなかなか外出しにくい、小さなお子さん、保護者の方などにも楽しんでもらえるように昼間にも多くの企画を練るようにしました。そういう取組みが、来場者数に反映しているのではと感じます。

椅子に腰掛けている谷口氏

茨フェスはやはり市内の最大イベントであり、これは質的にも量的にも間違いないことです。関わっている人が非常に多いことが特徴です。関わっている人が多いので、そこにそれぞれの人のつながりとドラマがあります。茨フェスは茨木の夏の風物詩として、開放的な雰囲気をさらに盛り上げるものですが、単なるイベントで終わってしまってはいけないと感じています。実行委員会ではその2日間に、人のつながり、ドラマが何らかの形で生まれてほしいという思いで、企画を考え、取り組んでいます。

市長:人のつながりやドラマというのは、たとえばどんなストーリーを思い描いていますか。

谷口氏:個々に場面は違うと思いますが、お祭りというのは非常に楽しい雰囲気の中で行われます。人間は、人から受けた優しさや、良い影響、親切などを、本能的に誰かにまた返したい、と思う動物だと思っています。茨フェスという舞台で、例えば、屋台であったり、イベントの会場で、スタッフが優しく接したり、思いやりのある態度で接したり、思いを伝えたりした際に、市民の方々がそれらを感じ取ってくれて、「日常において自分だったらこんなことできるんじゃないか」、「今度は自分が茨フェスでこんなことをしたい」と思ってもらえたらいいなと強く思います。

市長:これまでも多くの人たちを巻き込んで、一緒になってイベントを開催されてこられましたが、足りないと感じていますか。もっと巻き込みたいと感じていますか。

谷口氏:まだまだですね。スタッフとして活動してくださっている人は、まだ限られたメンバーだと認識しています。もっともっと広い分野から、学生さんも含めて、いろんな方々に参加してもらいたいです。やはり茨フェスというのは、「みんなで創ろうみんなのまつり」が基本理念ですので、「みんな」というところを大切にして、もっと広い分野からたくさんの方を巻き込んでいきたいと考えています。

茨フェスで生まれる人のつながり

市長:多くの方を巻き込むと、一つのテーマに絞れないといった悩みは出てこないのでしょうか。

谷口氏:テーマ、方向性を一つに絞るというよりは、いろんな形で皆さんが参加できることのほうが大事だと考えています。
数年前から「準備段階の会議には参加できないけれども、当日であればお手伝いできます」といった当日ボランティアを募集していて、今年も数名の方にお手伝いしていただきました。その中で印象的だったのが、若いご夫婦が参加されたことです。半年ぐらい前に茨木市に引っ越してこられたご夫婦で、まちを知るために、ということで、暑い中、朝から参加してくださいました。

市長:それはとてもありがたいことですね。

谷口氏:丸一日というわけではなく、ボランティアは夕方までお願いしまして、夕方からはお客さんとして、茨フェスを楽しんでいただくようにしました。フィナーレで私が舞台であいさつをさせてもらった後に、そのご夫婦にお会いすることができ、「本当に楽しかった」と言ってもらえました。お客さんとして参加しただけでしたらわからなかった部分が、スタッフとして参加することによって、関わりを持っていただくことができ、「また来年も来ます」と言っていただけたのは、実行委員長として非常に嬉しかったです。 

椅子に腰掛けている市長

市長:今、谷口さんがお話しされたご夫婦の話は非常に参考になりますし、良いなと感じました。行政としても、市民の皆さんに当事者意識を持ってもらい、自分ごととして、このまちを楽しんでもらえるよう、引き続き取り組んでいきます。
最近は、茨木音楽祭や、茨木麦音フェストなど、さまざまなイベントが増えてきていますが、それらのイベントとの関係について、何か思われることはありますか。 

谷口氏:茨木音楽祭や茨木麦音フェスト、冬の光の回廊などのイベントは、非常に良いものだと感じています。それぞれ手法が違うだけで、皆さんが持っている思いは、共通していると思っています。うまく連携しながらやっていければと感じています。
茨フェスはある意味、総合競技、いろいろな種目を行うオリンピックのようなものと思っていますので、さまざまなジャンル、テーマを取り扱っているからこそ、いろいろな人が集まると考えています。

市長:今年(2016年)はリオ五輪にかけて、開催されていましたね。今の谷口さんの「茨フェスはオリンピックのようなもの」という表現がしっくりくると思いました。

谷口氏:やはり一番意識しているのは、「みんなで創ろうみんなのまつり」のところの、「創ろう」であって、お客さんだけで関わるのではなく、何かの形で茨フェスに関わってほしいと思っています。
キッズスタッフという企画もその一つです。この企画は、2010年から続けていまして、小中学生の子どもさんに集まってもらい、我々スタッフと同じTシャツを着て、スタッフの活動を2時間だけサポート、お手伝いしてもらっています。キッズスタッフを体験されたお子さんには、茨フェスに対して愛着を持ってもらえていると思っています。
最初の年に参加された、当時小学生だったお子さんが、高校生になって、去年、大人の部のスタッフとして手伝いたいと、申込んでくれました。「やっぱり茨フェスに関わりたい」、「今度は大人の部のスタッフとして活動したい」と、時を経て申し込んでくれたことは、本当に嬉しかったです。 

茨フェスからみえる茨木市

市長:茨フェスに関わってこられたことで、多くの市民の方々と触れ合ってこられましたが、触れ合う中で、茨木のまちをどのように感じていますか。

谷口氏:私は茨木市しかわかりませんので、他と比較はできませんが、茨木市が持っている潜在的なもの、人間力がすごくあるまちだと思います。パワーを持った方が多いです。
ただ、残念ながら、「茨木の魅力は?」と人に聞いて挙がってくるもののほとんどは、ハード面のことです。「○○の店がある」とか「高速道路が整っている」とかです。当然、まちとしてはそういったハードも必要とは思いますが、なかなかソフト面の魅力が聞えてこない気がします。聞えてきたとしても「人が温かい」など、なんとなく抽象的なもので、少し残念に感じました。「まちのこういうところが面白い」とか、「活気がある」と感じる具体的な内容を、若い世代の方から聞けないのが現実と思いました。
でも、現在、茨フェス実行委員長をやらせてもらい、いろいろな方、団体と関わらせていただいていて、本当にパワーを感じますし、それをうまくまとめて表現できるステージを、市内でもっとたくさん、そして、簡単にできるようになればと思います。

谷口氏、市長、もう1名の男性が椅子に腰掛け対談している様子

まちのこれから、茨フェスのこれから

市長:市民会館が閉館となり、茨フェスの運営に何か影響はありましたか。

谷口氏:茨フェスは、主に2つのグラウンドで開催していますので、直接的な影響はさほどありませんでした。代替案を考えて行っています。
イベントにおいて、新しいことを始める際には、いくつかの規制や条件を全てクリアして行わなければいけません。時には全てクリアすることが難しい場合もあり、そのようなときに、できない理由だけではなく、「こうすれば、できますよ」といったアドバイスを職員の方からいただけたら、嬉しく思います。
市役所本館1階の東側の玄関には階段があるので、舞台みたいに使うことができれば、新しい催しを行うことができると思います。普段は使えない場所を、使えるようにすることによって、みんなが注目しますし、これまで考えもしなかった面白いことができるはずです。また、特別感も出ます。
茨木の良さの一つとして、いろいろなイベントが開催されていることがあります。友人からも「茨木っていろんなことをやってるね」と言われたことがあります。茨木市民には、いろいろなパワーを持った人がたくさんいますので、その方たちが、多種多様な表現ができるまちになればいいなと思います。

市長:確かに、グラウンドなどでイベントが行われているのを、よく見かけます。市役所の玄関を舞台のように使うのは、これまでになかった発想で、面白いです。

谷口氏:茨フェスを実施していて、たまに思うのが、「茨フェスは茨木市全体を巻き込んで開催できているか」ということです。開催場所が市の中心なので、近くに住んでいる人しか来ていないのではと思うことがあります。岸和田のだんじりのように、祭りが行われている場所付近だけでなく、市全体、市民全員が知っているイベントにしたいです。

市長:それは素晴らしいことだと思います。まさに「みんなでつくるイベント」ですね。

谷口氏:これからも楽しい企画を考えるのはもちろんですが、気軽に参加できる祭り、その参加はお客さんとしてだけではなく、どんなことでもいいので、「作り手として少し関わろうかな」という想いを持っていただけるような祭りにしていきたいと思います。

市長:市も、市民の方々がさまざまな想いを持って実施、参加されているイベントを、しっかりとフォローできるように頑張ってまいりますので、今後もいろいろなアドバイスやご提案をいただければと思います。
本日はありがとうございました。

谷口氏:ありがとうございました。

カメラに向かって横に並んで立っている谷口氏と市長