広報いばらき

特集2 自分らしくいられる“居場所”
いばらきで見つかる

 家庭や学校・職場で、きゅうくつな気持ちを抱えていませんか?そんなとき、いばらきには、ほっとひと息つけるような場所があります。

問合先 こども政策課 電話620‒1625

家でも学校・職場でもないその子だけの3つめのホーム

 家庭や学校・職場で悩みや複雑な思いを抱えがちな、こどもや若者たち。本人だけでは対処が難しい場合も多く、また保護者の立場からも解決の糸口がつかみにくいものです。
 そのような場合に頼れる「第3の居場所」として、こども・若者とその保護者をサポートする場所があります。今回の特集ではその中から、中高生・若者の日常に寄り添う「ユースプラザ」、食事を通じて地域住民の交流や暮らしも支える「こども食堂」を訪ねました。また、相談ごとがある場合の窓口のひとつ「子ども・若者自立支援センターくろす」も併せてご紹介します。

こども政策課 馬場

悩みや困りごとに応じて、さまざまな角度からお手伝いします!

心のひとやすみ、しに来ませんか?
ユースプラザ

中高生・若者の元気をチャージ

 ユースプラザは、「第3の居場所」として、中高生・若者たちのサポートを行う場所です。
 家庭や学校・職場に居づらいと思うときなどには、心安らぐ「居場所」として。学校や会社の帰りに立ち寄ったときには、友だちや他の利用者・スタッフと話したり気分転換したりする「交流サロン」として。目的によって時間や場所が分けられているので、利用者一人ひとりが安心して、思い思いの時間を過ごすことができます。
 ユースプラザは市内に5か所。どこでも無料で利用できます。気軽に訪ねてみてはいかがでしょうか。

ユースプラザ基本情報

対象、おおむね中学生~39歳までのこども・若者
場所、市内5か所(詳細は下記参照)
開設日、週5日(年末年始を除く)
時間、午前9時~午後9時

ユースプラザは何するところ?

居場所

それぞれが自分の好きなことをして過ごすことができます。一人でのんびりと過ごしたり、スタッフとおしゃべりしたり、ほっとひと息つける場です。学校や職場に行けない場合でも、外出の目的地として利用してもらえます。

交流サロン

みんなと一緒におしゃべりをしたり、遊んだりすることができます。ゲームを持ち寄って楽しむ人や、施設のスポーツ設備を利用する人もいます。みんなで楽しめるイベントも随時開催しています。

相談

専門のスタッフに困りごとや悩みごとの話を聞いてもらえます。対象者本人だけでなく、保護者の方でもOK。具体的な解決に向けた活動プランを一緒に考えましょう。保護者同士の情報交換会も行われています。

ユースプラザ
日常をのぞき見!居場所と交流サロン

ユースプラザ利用者のとある1日

「居場所」中心にゆったりと利用
Aさんの場合〈中学生/女性〉

自分のペースでゆったりと過ごすために来所

午後2時 スマホでSNSを見る
午後から「居場所」に来て、一人でのんびりとSNSなどを見て過ごす。

午後4時 スタッフとネイル
趣味が合う大学生スタッフとジェルネイルのチップづくり。最近は会話も弾むようになってきている。

午後5時 「居場所」で夕食
ネイルなどの活動をして、お腹が空いてきたので夕食を食べる。スタッフがつくる料理はおいしい。

「交流サロン」でアクティブに利用
Bさんの場合〈高校生/男性〉

利用者同士仲良くなり、遊ぶために来所

午後5時 屋外でバスケットボール
施設敷地内にあるバスケットコートで、友人たちと遊ぶ。

午後6時 卓球で白熱
友人と一緒に卓球勝負。スタッフや他の利用者にも声をかけると参加者が増え、にぎやかに。

午後7時 友人やスタッフとおしゃべり
卓球をしていた人たちで楽しく会話。学校生活で少しモヤモヤしていたことを話して気持ちもスッキリ。

気ままに過ごせる居場所〈午後1時~5時〉

※施設により時間は異なります
ネイルなど趣味の活動や、勉強・宿題をする人もいます。スタッフは、それぞれの利用者が過ごしやすいよう、見守ります。

「ベンポスタ・ぱーちスペース」相談支援コーディネーター 橋本さん

 読書やゲーム、スタッフとのおしゃべりなど、一人ひとり好きなことができる場所です。スマホを見て一人で過ごすだけの人もいます。スタッフは利用者同士の間を取り持ちながら、みんなが快適に過ごせるように気を配っているので、気になることや要望があれば、臨機応変にお手伝いしますよ。

ユースプラザ卒業生の声

学校・職場で感じた息苦しさここに立ち寄ってスッキリ

 専門学校で居づらさを感じていた際、帰りに立ち寄ったことがきっかけで「ユースプラザ」に通い始めました。他の利用者と遊んだり同年代のスタッフとおしゃべりをしたりすることが、何より日々の息抜きになっていました。ギターに興味があると話したら講座を開いてもらえ、他の利用者とバンドを組んで地域の祭りのステージに立ったこともいい思い出です。引っ越しを機に次第に通う機会が少なくなりましたが、今でも第2の実家のように思っています。
「ベンポスタ・ぱーちスペース」利用者 森さん

学校・仕事帰りに立ち寄って 交流サロン〈午後5時~9時〉

※施設により時間は異なります
施設の設備に応じて、スポーツや楽器演奏などができます。さまざまな活動を通じて、利用者同士の交流も深まります。

「ベンポスタ・ぱーちスペース」支援員 田中さん

 大人数でするゲームやスポーツ、楽器演奏など、それぞれのやりたいことに応えられるよう、スタッフがサポートします!文化祭の前に友だちとダンスや楽器の練習をしに来る人もいますよ。また、定期的にイベントが開かれており、それをきっかけに趣味が合う友だちができる人も多いです。

市内に5カ所!どこでも無料です

じっくりお話しましょう
ユースプラザEAST ちょい

20代以上の利用者も多く、落ち着いた雰囲気。じっくり相談ができる環境が整っています。オンラインサロンには自宅からの参加も可能。
場所、総持寺いのち・愛・ゆめセンター別館(総持寺2‒5‒36)
電話、628‒6993
開設日、火曜日~土曜日(祝日は休み)

イベントたくさん!食育も充実
ユースプラザWEST いばらきLOBBY

おいしい料理やお菓子でお腹も心も満たしてくれる「LOBBYカフェ」が大人気。菜園では野菜の栽培・収穫をみんなで行います。
場所、豊川いのち・愛・ゆめセンター分館(豊川5‒10‒28)
電話、080‒9607‒5051、080‒4973‒3681
開設日、火曜日~土曜日(祝日は休み)

趣味で広がる交流の場
ユースプラザSOUTH ベンポスタ・ぱーちスペース

多彩なイベントが充実しており、利用者とスタッフが一緒にゲームやスポーツをしたり、お菓子を作ったりすることもあります。
場所、沢良宜いのち・愛・ゆめセンター分館(沢良宜浜3‒11‒13)
電話、655‒3761、080‒6385‒0049
開設日、月曜日~水曜日・金曜日・土曜日(祝日は休み)

家族団らんのようなひととき
ユースプラザNORTH プラザ・あい

団地の一室で活動しており、親戚の家のようなほっとする雰囲気が魅力です。初詣など、家庭的な季節の行事も一緒に楽しめます。
場所、府営茨木安威住宅B‒5棟103号室・B‒22棟集会所(南安威2)
電話、655‒1821
開設日、月曜日・火曜日・木曜日~土曜日(祝日は休み)

みんなで遊びに全力投球!
ユースプラザCENTER エント

スタッフも含めて大人数で一緒にするテレビゲームやボードゲームが盛んで、一体感があります。20代以上の利用者も多い施設です。
場所、午前9時~午後4時30分はローズWAM(元町4‒7)、午後5時~8時30分は上中条青少年センター(上中条二丁目11‒22)
電話、080‒1521‒4624
開設日、月曜日・水曜日~金曜日・日曜日

各施設の詳しい開設時間は市ホームページで

おいしいごはんで心もぽかぽか こども食堂

市内で運営中の「こども食堂」それぞれの詳細は市ホームページで。

こどもに食事と安心を提供

 こどもたちが気軽に立ち寄り、手軽な価格でおいしいごはんを食べられる「こども食堂」。市内に18か所あり、対象や実施日などの運営スタイルはさまざまですが、こどもたちにとってほっと安心できる居場所になっているのは、どの食堂も同じです。
 食事だけでなく、食事の前後に遊びや宿題ができる食堂もあります。保護者とこども、スタッフも含めた地域住民の交流の場として、また、支援が必要なこどもたちを見守り、サポートする場として、多様な形で地域の暮らしを支えています。

利用者の声

応援おねがいします!

 こども食堂は、地域のボランティアの方の協力や食材の寄附などによって運営されています。こども食堂の手伝いや食材・運営費の寄附などをしていただける方は、各食堂に直接ご連絡ください。「手伝いをしたいけど時間がない」「気軽に応援したい」という場合は、下記の寄附サイトまたはこども政策課にお問い合わせください。あなたの寄附が、より多くのこどもたちの笑顔に繋がります!
詳細は「茨木市こども食堂寄付サイト」参照

子ども・若者自立支援センター「くろす」が答える お悩み相談室

抱えている悩み、ここでお話ししましょう
こどものことで、お悩みごとはありませんか?子ども・若者自立支援センター「くろす」が、お答えします。

くろす管理者 上村さん

私がお答えします!

Q.こどもが不登校で、毎日ゲームばかり。半ば黙認していますが、このままで大丈夫?
A.「しなければならないこと」ができないストレスを「自分にもできること」で緩和しているのかも。

気楽にゲームをしているように見えても、本人にはストレスがかかっていることがあります。あまり頑張らずにできそうなことや本人にとって魅力的な選択肢を提示しながら、ゲーム以外にも興味が持てるようにしてみましょう。

Q.ある時期を境に、こどもがひきこもりに。理由や要望を聞いても答えてくれません。
A.無理やり聞き出さないことが肝心!

私たちはひきこもりや不登校を「セカンドベスト(2番目に良い事)」と捉えています。まず「何か辛い事があった」と想定し、経緯や理由を無理に聞き出そうとせず「今本人がしている態度」を許可したうえで、お子さんの次の決断が良いものになるよう関わってみましょう。

Q.ひきこもりの子の生活リズムが昼夜逆転。注意すると家族を避けるようになり困っています。
A.こどもの孤立を防ぐことが大切。

昼夜逆転を治すことよりも、まずは孤立しようとするお子さんの更なる状態悪化を防ぐことを優先に。起床が遅くてもなるべく不快感を出さず「何か食べる?」など、普段通りの言葉がけをすることで、たとえお子さんからの返事がなくても接点を維持するところから始めましょう。

Q.ひきこもり(不登校)のこどもを支援(相談)機関に連れて行きたいのですが、拒否されてしまいます。
A.本人不在でも面談可能です。

くろすの初回面談は約9割が保護者の方との面談となっており、継続的な面談を通じて、お子さんが安心して成長していけるための具体的な関わり方を検討し提案します。まずは、気兼ねなくお問い合わせください。

Q.近所の子が親代わりに下のきょうだいの世話をしており、学校にも行けていないみたい。何かできることは?
A.もしかしたらヤングケアラーかも?

家族を想っての行動かもしれませんので、まずはその頑張りを認め、労っていただければ、その子が自分を後ろめたく思う気持ちを減らせるかもしれません。気がかりがあるということだけでもこども政策課にご相談いただければ、地域の支援者に繋がる可能性もあります。

ヤングケアラーとは

ヤングケアラーとは、本来大人が担うとされている家事や家族の世話などを、日常的に行っているこどものことをいいます。その責任や精神的・身体的な負担から、学業や友人関係などに悪影響が出てしまうことがあります。詳細は市ホームページ参照

まずはご相談ください!
子ども・若者自立支援センター「くろす」

 社会生活を送る中で不登校やひきこもり・ニートなど、困難を抱えるこども・若者とその保護者を支援しています。専門の支援員が悩みを整理し、利用者本人と家族の成長に向けて、個別カウンセリングやグループカウンセリング、居場所の提案などを行っています。

利用手順

(1)電話でお問い合わせ
(2)初回面談(予約制)
(3)利用者本人や保護者・家族の状況・状態に応じて、相談支援(定期面談)、訪問・同行支援、タイム・ラボ(居場所)、グループカウンセリングなどの支援プログラムの利用をコーディネート

対象、おおむね15歳~39歳のこども・若者とその保護者
住所、片桐町4‒7
電話、646‒5526
開所日、月曜日・水曜日~土曜日 ※祝日は休所
受付時間、午前10時~午後6時
メールアドレス、cross@popongapon.com
詳細は市ホームページ参照