特集3 こども食堂 おいしいごはんで、笑顔がつながる。
子どもが一人でも立ち寄れて、みんなと食事を楽しむことができる「こども食堂」。
コロナ禍の現在も、「子どもたちを笑顔にしたい!」という思いは、変わらず続いています。
問合先、こども政策課 電話620-1625
安心して気軽に過ごせる居場所を子どもたちに
子どもたちが気軽に足を運び、みんなと一緒に食事を楽しめる。また、地域の人たちと一緒に遊んだり、勉強を教えてもらったり……それが「こども食堂」です。運営のスタイルは場所によって違いますが、ほっと安心できる居場所となっているのはどこも一緒。子どもの見守りや学習支援だけでなく、子育て中のママやパパのサポート、家族団らんや地域交流の場づくりなど、各食堂が暮らしを支える多様な役割を担っています。
コロナ禍の影響で開催できず再開の日を心待ちにしているところ、感染予防対策に留意しながら開催しているところなど、食堂の状況はさまざま。だけど、子どもたちをはじめ、地域で暮らす人たちを笑顔でつなぎたいという願いは、変わらずみんな同じです。
食事できるだけじゃない
茨木でも活発!
「こども食堂」ってこんなところ
「こども食堂」の始まりは?
平成24(2012)年、東京都大田区にある八百屋が、「子どもが一人でも立ち寄れるように」と始めたのがきっかけです。茨木でも「子どもの貧困対策」などを目的に、平成28(2016)年からスタートしました。
利用できるのは子どもだけ?
大人も参加でき、親子団らんの時間を楽しめます。ただし食材は支援でまかなっているため、数に限りがあります。場所によっては、すぐに定員いっぱいになるところや子ども優先のところもあります。
どんな役割なの?
近年は核家族化やコロナ禍が重なって、子どもの孤立や孤食、貧困が課題になっています。地域の憩いの場としての役割はもちろんですが、支援が必要な子どもたちを市の適切な窓口につなぐことも、こども食堂の大切な役割です。
誰がやっているの?
茨木では、地域の人たちがボランティアで運営しています。現在、8団体が運営していて、その数は16か所にのぼります。また、全団体が状況や課題などを話し合う「こども食堂連絡会」を年に2回、催しています。
いつやっているの?
開催日程や時間は、各食堂それぞれです。現在はコロナ禍の影響で、予定を立ててもその通りにいかないことがあります。最新情報は市ホームページや各食堂のSNSなど、いろいろな方法で伝えています。
どんなことをしているの?
おいしい食事を手頃な価格で用意し、団らんを楽しんでもらうのはもちろん、遊びや勉強、交流や相談の場を提供しているところもあります。現在はコロナ禍で活動が制限されていますが、人とのつながりを感じられる空気感は健在です。
Interview
おいしい笑顔で地域みんなが元気に!茨木の「こども食堂」を支える人たち
case1 茨木子ども食堂
「小学校区にひとつ」をめざし、全9か所にカラーはそれぞれ、でも思いはひとつ
●西之辻 功さん(春日)/袛園美幸さん(中津)/戸隠友子さん(玉櫛)
「みんなが安心できる居場所をつくろう!」と、子どもたちをボランティアで見守る児童委員さんたちが中心となり、葦原小学校区からスタート。近所の人に声をかけ、「小学校区にひとつ」を目標に広がっていった「茨木子ども食堂」は、9か所にまで増えました。食材の支援には、府中央卸売市場やJA茨木市も協力。クリスマスにはケーキの提供などもあり、子どもたちは大喜びだったそう。現在はコロナ禍の影響を受け、開催場所や回数も限られていますが、「やむを得ず人数を制限したことで、結果的に一人ひとりとの関係が深まりました」と中津の袛園さん。コロナ禍以前のように、自由に活動できる日を楽しみにしています。
「春日ではコミュニティ・ソーシャルワーカーとも連携し、地域に密着しつつあります。必要としてくださる人たちに情報がある程度届いている一方で、対応できる人数に限りがあるのが実情です」という西之辻さんに対し、「玉櫛はまだまだこれからです。もっと浸透させたいし、お年寄りにも広がれば」と戸隠さん。エリアによって食堂の状況もそれぞれです。だけど共通しているのは、「自主的にやりたいと思った人たちが携わっている」ということ。子どもたちの笑顔や微笑ましい親子の団らん、世代を超えた地域の人たちの交流にふれるのが、皆さん大好きなようです。
茨木子ども食堂 電話080-4755-7581
(特定非営利活動法人茨木子ども食堂)
毎月1回~/午後5時~7時
・葦原コミュニティセンター
・春日コミュニティセンター
・春日丘公民館
・水尾コミュニティセンター
・白川公民館
・玉櫛公民館
・大池コミュニティセンター
・中津コミュニティセンター
・総持寺いのち・愛・ゆめセンター
ごはん食べにおいでや!!
case2 子民家よってこ食堂
子どもも学生もパパママもお年寄りも……誰もが「よってこ!」と交流できる
●下田平敬子さん
「こども食堂」が開かれている耳原の「子民家よってこ」は、地域の人たちが力を合わせ、空き家を活用してつくったコミュニティ施設です。この取組みには地域ボランティアのほか、追手門学院大学のゼミ生さんたちも参加し、地区福祉委員会と社会福祉協議会がタッグを組んで食堂の運営に携わっています。「若い学生さんたちも関心をもってくれるのがうれしい。私たちも刺激をもらっています」と下田平さん。コロナ禍になる前は、勉強を見てくれたり一緒に遊んでくれたりするのを、子どもたちも楽しみにしていました。
「子民家よってこ」では、子育てサロンや学習会、ご長寿サロンなども開かれて、幅広い世代の交流が盛ん。「毎日がんばっているお母さんたちも、たまにはゆっくりしにおいでと。お子さんに限らず、地域の皆さんも気軽に楽しく過ごしてほしい」と下田平さんは言います。
時には、食堂に耳原小学校の先生たちが来ることも。「地域の人たちが温かく見守ってくださり、お米やお野菜をいただくことも。月に1度の開催を、スタッフも楽しみにしています。子どもたちは食べることでほっとして、ぽろっと本音が出ることもある。普段言えないことも言える空間になれば」と語ってくれました。
子民家よってこ食堂 電話627-0033
耳原3-6 耳原児童遊園内
(耳原地区福祉委員会/茨木市社会福祉協議会)
毎月最終火曜日/午後5時~6時30分
夏休みなどの長期休暇中は、毎週昼食も用意。コロナ禍以前は、かき氷やお好み焼きなどを振る舞った
食堂の名は、古民家的な雰囲気と、子どもでも来やすいようにとの願いを掛け合わせたもの。この日は見て喜んでもらえるよう、豚カツを1枚まるっとトッピング
今は持ち帰りのお弁当をみんなに渡しています
Message
地域のちからを合わせて、がんばるまちの「こども食堂」
ベンポスタ・こども食堂
カレーライスでほっこり!茨木で最初の「こども食堂」
子どもの学習・生活支援事業を行うなかで、「みんなで食べる楽しさを体験できる場をつくりたい」と始めました。現在も施設が休館にならない間は、感染予防対策を徹底しながら開催。長時間滞在は難しいですが、一人でも気軽に来ることができ、温かい気持ちになれる食堂でありたいです。おいしいカレーライスを用意して、みんなで待っています!
ベンポスタ・こども食堂 電話648-7980
沢良宜浜3-11-13
沢良宜いのち・愛・ゆめセンター分館
(NPO法人はっちぽっち)
毎月第1土曜日/午前11時~午後0時30分
なかよし食堂
毎日お疲れの親御さんにも気軽に利用してほしい
子育て支援の延長として開始。仕事が大変な親御さんの負担を軽減するための活動にもなっています。コロナ禍の今は、持ち帰りのお弁当を提供。おかずが豊富だと評判です。忙しさで心がお疲れの親御さんもいますし、誰もが気軽に利用できる場所だと捉えてほしい。地域に根づいたコミュニケーションの場になるよう、今後もがんばります。
なかよし食堂 電話633-7587
中総持寺町3-25
デイスポット駅前らんど
(NPO法人すかいぶるー)
毎週火曜日/午後4時30分~7時
かるがも子ども食堂
子育てママの声から誕生!心でつながれる交流の場
小学生・中学生を育てる親御さんのつながりからボランティアの輪が広がり、週2回開催。学習や食育の支援にも力を入れてきました。「好き嫌いが減った」「宿題ができるようになった」などの声を聞くとうれしく思います。今は学習支援や大勢での食事ができず制限がありますが、温かい交流の場として利用してほしいです。
かるがも子ども食堂 電話637-8108
鮎川2-26-21
コミュニティデイハウスかるがも内
毎週水曜日・土曜日/登録制
午後4時30分〜7時30分
ごはん屋MINT
バランスのいい食事で保護者にもやすらぎの時を
ケア付き食堂をめざして立ち上げたNPOで運営。1日だけでもくつろいでもらおうと保護者支援にも力を入れ、栄養バランスを考えた食事の提供を心がけています。コロナ禍になる前は体験学習なども実施。現在は残念ながら学習支援や交流はお休みですが、状況が落ち着けば、外国の料理を作る教室なども行いたいです。
ごはん屋MINT 電話090-2942-4257
元町4-7 ローズWAM1階 WAMcafe
(NPO法人わんだーらんど)
毎月第4水曜日/3交代制
(午後5時30分、6時、6時30分)各回8人
要予約・テイクアウト可
ハッピー食堂
シルバー世代が切り盛り!三世代交流が楽しめる
ベテラン主婦が腕をふるう料理が自慢。おいしい食事だけでなく、子どもたちや保護者も含めた三世代間の交流の機会も提供してきました。運営がシルバー世代主体ということもあり、感染予防対策を徹底して開催しています。昔ながらの遊びなども行っていた以前のような状態に早く戻ってほしい。まずは今できる工夫を重ねていきたいです。
ハッピー食堂 電話634-8990
東奈良1-4-1
市シルバー人材センター
(市シルバー人材センター)
毎月第3金曜日/午後4時~7時
カフェ de こども食堂
オシャレなカフェで優しい思いがあふれる食堂
「カフェ&バーcocina」が運営していますが、店内改装のため現在はお休み中。以前は、開放感のあるオシャレな店内で彩り豊かな食事を月に一度、日曜日に提供していました。コロナ禍では食事を持ち帰りのお弁当に変更し、事前予約制で感染予防対策を取っています。再開の情報はフェイスブックをご確認ください。
カフェdeこども食堂 電話622-7518
総持寺駅前1-36 大西ビル1階
カフェ&バーcocina
平日午前9時~午後5時
休所中
Voice
食べて元気に!笑顔が集まる「こども食堂」
おなかもこころも大満足!
おかわりもできるしおなかいっぱい食べられる
お弁当を家族みんなで食べられてうれしい
みんなと遊べて楽しいし、友だちもできた!
親子の絆が深まる!
ここに来る日は子どもとたくさん話ができます
忙しい時でも子どもと一緒に食事ができるので感謝しています
親子で過ごせるこの時間が励みです
手伝う側もパワーがもらえる!
子どもたちの成長していく姿を見られるのが楽しみ
子どもたちの笑顔を見ると幸せを感じます
「おいしかった!」の言葉が一番のやりがいです
Volunteer to do...
「こども食堂」の力になりたい!
そんなときは……
「こども食堂」の活動は、すべてボランティアですが、自分にできる方法で協力することも可能です。
食料品・消耗品を提供する!
食材だけでなく、飲み物やお菓子なども必要です。消耗品が助かる!というところもあります。
学生歓迎!
ボランティアとして手伝う!
調理や配膳などの人手が助かります。状況が良くなれば、子どもたちと遊んだり、勉強を見たりする人がほしいところも。
寄附金でサポート!
運営費の多くは、募金。もっとたくさんの子どもたちに食事を提供できるよう、応援を求めています。
詳しくは応援したい食堂へ問い合わせを。「どこに寄附したらいい?」「こども食堂をやってみたい」などの相談は、こども政策課まで気軽にどうぞ。
※新型コロナウイルス感染症の状況により、開催予定が変更になることもあります。詳しくは、各こども食堂にお問い合わせください。