広報いばらき

特集1 めざせ、高血圧予防マスター 適塩生活

 問合先 保健医療課 電話625-6685

18,013人 約10億円

 上の数字がなんだかわかりますか?これは、平成26年度に市の国民健康保険に加入している65,527人のうち、高血圧と診断された人の数と、高血圧の治療にかかった金額です。

 高血圧の原因のひとつは、塩分の摂りすぎ。つまり、高血圧予防には、「適塩」が必要です。適塩とは、適切な量の塩分を摂るという意味です。今回の特集では、適塩を合言葉に高血圧予防のヒントをお伝えします。

ぼくも血圧が気になる!
いばらき童子も血圧測定中…

みんなで適塩について学ぼう!

ナビゲーター 南さん一家
大輔さん
由美さん
雅美さん
健太郎くん
大志郎くん
花奈ちゃん

そもそも高血圧ってなんだ?

恐ろしい病気につながる高血圧

 血圧とは、心臓が全身に血液を送り出すときに、血液が血管の壁を押す圧力のことです。血圧はミリメートルエイチジーという単位で表され、心臓が縮んだときと広がったときの2つの値で示します。高血圧とは、血圧の上の値(収縮期血圧)が140ミリメートルエイチジー、下の値(拡張期血圧)が90ミリメートルエイチジーを両方、またはどちらか一方が上回る状態のことを言います。血圧が高いと血管に大きな負担がかかり、血管がダメージを受けます。

血圧のしくみ

【収縮期血圧(上の血圧)】
【拡張期血圧(下の血圧)】

 血管に強い圧力がかかり続けると、血管は破れたり詰まったりして、脳卒中や心筋梗塞、認知症といった恐ろしい病気を引き起こします。平成26年度には、市国民健康保険(以下、国保)加入者のうち、新たに脳卒中を発症した人は5人に1人が40歳・50歳代でした。

高血圧は一番多い病気

 高血圧は、日本人に一番多い病気です。平成26年の厚生労働省の患者調査によると、高血圧性疾患の総患者数は1010万8千人で、ほかの病気の患者数を大きく上回りました(下記参照)。この数値は継続的な治療を受けていると推測される人数ですが、実際には診断されていない人も合わせると、約4300万人もいると言われています。

主な病気の総患者数上位5位

(※各項目、主な傷病、総数の順で)

高血圧性疾患
10,108千人

歯肉炎・歯周疾患
3,315千人

糖尿病
3,166千人

高脂血症
2,062千人

がん
1,626千人

 また、市では昨年度、国保におけるデータヘルス計画をとりまとめました。この計画では、国保加入者の医療費や健診結果などを分析し、課題と今後の目標を示しています。今回の分析から、平成26年度の国保加入者の高血圧の患者数が1万8013人で、加入者全体の約3割、つまり、3、4人に1人が高血圧ということがわかりました。

自覚症状がないという落とし穴

 困ったことに、高血圧は自覚症状がないことが特徴です。そのため、定期的に血圧を測ることで、自分の血圧を知ることが大切です。

今こそ適塩で予防!

少しの意識で血圧をコントロール

 高血圧は、濃い味付けを控え適塩を心がける・野菜を食べる・アルコールを控える・適度な運動をするなど、一人ひとりの少しの意識でコントロールができます。すでに高血圧の人も、これらを実践すると、人によっては血圧を下げたり、服薬量を減らしたりと効果が見られます。

 この中でも、今回のポイントは、塩分の摂りすぎに対する適塩。一人ひとりの体質や体調等を考慮しながら、適切に正しく塩分を摂取することが大切です。

 市がおすすめする具体的な適塩の方法を紹介します。

interview 生活習慣を見直し塩分を控える工夫を

茨木保健所長 髙山佳洋さん

 高血圧予防として、まずは、塩分を控えることから始めましょう。段階を踏んで徐々に薄味のものを食べるようにすれば、舌が慣れてきて塩分の少ない料理もおいしく感じられるという調査があります。また、最近ではうまみを引き立たせて塩分を抑える調理法や、ヘルシーで栄養バランスのとれた定食などもありますから、うまく活用してください。

 その際の注意点は大きくふたつ。まず、日本食はヘルシーで脂肪分が少ないですが、佃煮や漬物など、塩分がたくさん含まれているものが多いです。また、若いうちからジャンクフードを頻繁に食べていると、濃い味に慣れてしまいます。野菜を食べなかったり、飲み会等で暴飲暴食をしたりといった生活習慣も、高血圧予防の観点からは良くありません。度を過ぎると肥満になり、余計運動しなくなる。中には、若くして高血圧が原因で脳卒中にかかってしまう人もいます。塩分を上手に控える工夫をしましょう。

これが大切! 「いばらき適塩宣言!」の3つのポイント

 「いばらき適塩宣言!」は、市が行う高血圧予防の取組みです。市では、市民が適塩を意識したり、血圧を毎日測ったりするなど、高血圧予防を実践できるようにさまざまなサポートを行っていきます。

 その一環として、市がおすすめする3つのポイントを紹介します。高血圧は高齢者に多い病気のように思われがちですが、若いころからの予防が大切。さあ、みんなで、今日から適塩生活を始めましょう。

みんなでやってみよう!

ポイント1 食べるものの塩分を知ろう

 食べ物に含まれる塩分量は、飲食店によってはメニューやホームページで確認することができます。また、カップ麺やお菓子、惣菜パンなど、いろいろな食品には塩分表示があります。塩分表示は、食品のパッケージに書かれている標準栄養成分表の一部です。食品に含まれる塩分量を知ることは、塩分の摂り過ぎを防ぐ第一歩です。

 1日の大人の適切な塩分摂取量は、男性8グラム未満、女性7グラム未満です!ちなみに子どもはもっと少なく、3歳〜5歳児は4グラム未満です。

塩分表示を見よう! 塩分表示の例

標準栄養成分表1食(80グラム)あたり
エネルギー 400キロカロリー
たんぱく質 10.7グラム
脂質 16.5グラム
炭水化物 44.0グラム
ナトリウム 1.9グラム
ビタミンB1 0.20ミリグラム
ビタミンB2 0.25ミリグラム
カルシウム 100ミリグラム
(食塩相当量:4.8グラム)

子どもたちが持っている魚肉ソーセージは1本1.3グラムね
このカップ麺は9グラムって書いてある!
サンドイッチ 1.3グラム
カレーパン 1.5グラム
カレー 2.3グラム
にぎり寿司セット 3.0グラム

ポイント2 毎日血圧を測ろう

 血圧は測る場所や、緊張など心の状態の影響を受けやすいものです。日本高血圧学会でも、病院での測定だけでなく、家庭で毎日決まった時間にリラックスした状態で測ることを推奨しています。毎日体重を測るのと同じように、血圧を測りましょう。血圧の値を把握しておくと、高めの日が続けば外食を控えたり、病院に行ったりするなど、未然の対策がとれます。

家庭用血圧計は、家電販売店などで購入できます
計測は朝と夜の1日2回ね

ポイント3 野菜を食べよう

 野菜や果物に含まれるカリウムには、体内の余分な塩分を体外に排泄し、血圧を下げる作用があります。大人が1日に必要な野菜の量は350グラム。緑黄色野菜と淡色野菜の両方が必要です。一見、量が多そうに見えますが、およそ5皿分のおかずに相当します。朝・昼・晩と分けて食べ、外食であっても意識して野菜の多い料理を選ぶなど、野菜中心の食事にするよう心がけましょう。

1日5皿の野菜のおかずを食べよう
朝1皿、昼2皿、夜2皿といった具合ね

interview
健診等で保健医療センターに来た人に、血圧測定してもらいました

中島良美さん

 普段から、料理は薄味にするよう気をつけています。以前、保健医療センターで、塩分を控えるために、味噌汁は具だくさんにして汁を少なめにすると良いと教えてもらいました。できることを実践して、続けていきたいと思います。

奥山博文さん、智子さん、季穂ちゃん

 普段は、野菜や魚を中心に食べるようにしています。今の数値は良くても、塩分の多い食事を続けていると将来血圧が上がるリスクが高くなると聞いたので、健診を定期的に受けて、健康管理をしっかりとしていきたいです。

みんなで適塩宣言しよう!

「いばらき適塩宣言!」フェスタ

カラダがよろこぶ適塩生活 一時保育あり

とき
11月23日(祝日)、午前10時〜午後3時30分(受付は午前9時30分〜午後3時)
ところ
生涯学習センター

内容、講演「カラフルワンディッシュ 一皿で栄養バランスを整える」(プロサッカーチーム寮母 村野明子さん)、「血圧を測って安心! 健康生活を勝ちとろう」(国立循環器病研究センター高血圧・腎臓科医長 中村敏子さん)、「今日から我が家も“かるしお”レシピ」(国立循環器病研究センター栄養管理室長平野和保さん)、企業ブース、試食コーナー、工作コーナーなど、備考、一時保育は11月11日までに要申込、手話通訳あり、問合先、保健医療課 電話625-6685