広報いばらき

特集1 見て 聴いて ふれて 楽しもう 文化芸術の秋

問合先 文化振興課 電話620-1810

 今年の3月に文化振興ビジョンが完成し、市は、文化芸術によるまちづくりを進めています。

 茨木は市民による文化芸術活動が盛んなまち。市内には文化振興に携わっている人がたくさんいます。今月の特集では、茨木の文化振興に尽力しているたくさんの団体の中から、6人の代表者に、文化芸術の楽しさについて聞きました。

 皆さんも、芸術作品を見て、音楽や合唱の公演を聴いて、文化芸術にふれて、今年の秋は「文化芸術の秋」にしませんか?

茶華道連盟

心をこめてまちを元気に

茶華道連盟会長 大久保仲子さん

 市内の多くの流派が所属している茶華道連盟では、市民さくらまつりや生花展、黒井の清水大茶会などで茶席や生花の展示を行っています。私たちは、お茶やお花を通して、市民やまちを元気にし、市の発展に貢献したいと思っています。

 茶道と華道は、「心をこめる」というのが作法です。お茶は、飲む人のことを考え、おいしくなるように点てる。お花は、切られた花をいかに自然のままの姿で美しく見せるかを考えて生ける。

 お茶とお花には、ぱっと見るだけで何か心に響くものがあります。それが、お茶を点てた人、お花を生けた人の心遣い。相手を思いやって心をこめることで、思いが通じるのが茶道・華道だと思います。難しく考えて躊躇するのではなく、誰でも気軽に楽しんでほしいですね。

行ってみよう 茶華道展

とき
11月6日(金曜日)〜8日(日曜日)、午前10時30分〜午後5時(8日は午後4時まで)
ところ
生涯学習センターきらめきホール
内容
華展「秋華の舞」、茶席
教えて!鑑賞のポイント

季節感を大切にしています。生花の表現や茶菓子に、季節を感じさせるものを探してみてください。

美術協会

芸術を誰もが楽しめるものに

美術協会長 木村光佑さん

 美術協会は、日本画、洋画、版画、彫刻・立体造形、工芸美術、写真、書、デザインの8部門からなり、240人の会員が所属しています。

 美術は、高尚でとっつきにくいもののようなイメージがありますが、決して限られた一部の人のためのものではありません。誰でもこの世界に入ることができます。ものを作るのは楽しい。それを発表できればもっと夢中になります。この楽しさを、多くの人と一緒に味わいたいと思っています。

 そこで今年から、会員と市民の皆さんが一緒に美術を楽しめる場を作れるよう、新しい取り組みを始めました。まず、市民活動センターへの団体登録。10月から、会員が講師を務めて市民向けに各種講座を開催する予定です(講座・講習のホームページ参照)。また、協会のホームページをリニューアルし、市内のギャラリーの展示スケジュール情報を充実させました。ギャラリーでは、会員の作品が見られます。さらに、年2回発行している会報を、従来の会員向けの内容ではなく、市民が読んで楽しい芸術情報誌に変えるべく、試行錯誤を重ねています。

 美術の楽しみ方は、人それぞれ。数学のように答えはひとつではないですし、むしろなんらかの答えにたどり着くまでの道のりそのものが、美術だと思っています。さまざまな美術作品に、たくさんふれてください。それぞれの作者の答えまでの道のりを、作品から感じとってみてくださいね。

行ってみよう 市美術展

とき
10月2日(金曜日)〜11日(日曜日)、午前10時〜午後5時(11日は午後3時まで)
ところ
市役所南館1・8〜10階
教えて!鑑賞のポイント

作品の構図など難しいことは考えずに、作品全体から受ける印象を楽しんでほしいです。また、作品の出品者が芸術を楽しんでいる様子を、感じてください。

市美術展入賞者インタビュー

平成25年度市長賞受賞(工芸美術) 田中千枝子さん

 市美術展は、一年を通しての目標のひとつとなるいい機会です。毎年、楽しみながら大きめの作品を作っています。

 陶芸の工程の中で、土をさわっているときが一番好きです。日常を忘れ、無心になれる。また、作りながら、試行錯誤を重ね、そのときのひらめきで遊び心を加えるのが楽しいです。作品と対話しながら、これからも陶芸を楽しみたいです。

合唱連盟・少年少女合唱団・吹奏楽団

誰もが楽しいひとときを

合唱連盟会長 阿部和子さん

 合唱連盟は、市内で活動する36の合唱団で構成されています。連盟では、団を超えた交流があります。合唱を通じて、自然と友達の輪が広がるのです。

 合唱をしていると、練習の積み重ねの大切さを強く感じます。初めは、音程をとるのが苦手だったり楽譜が読めなかったりした人でも、練習を重ねるとだんだん歌えるようになってきます。歌うことに慣れると、次に挑戦してみたい曲についてあれこれ考えるとうきうきします。

 合唱の醍醐味は、仲間とハーモニーをつくること。仲間の気持ちが一つになり、ぴったりと声が合わさった瞬間、ぞくぞくした快感があります。

 また、腹筋を使っておなかから声を出すことは健康に良く、歌う時間は日常を忘れストレス発散にもなるので、毎週の練習が楽しみです。

 合唱は、消える芸術だと思っています。作品は形に残らず、本番は1回しかない。

 だからこそ、本番に向けて集中して頑張れるし、仲間の一体感がたまりません。

少年少女合唱団長 堂島明子さん

 少年少女合唱団には、小学生から高校生まで、83人の団員がいます。違う学校、違う学年の子どもたちが集まりますが、ここではそうした壁はありません。学年が下の子どもたちは、中学生・高校生が面倒をみてくれます。上級生の頼もしい姿を見て、子どもたちに他人を思いやる心が自然と育つのです。

 合唱は、子どもたちの表情を豊かにします。学校ではおとなしく目立たない子であっても、合唱団の練習では明るく笑っている姿や、生き生きと感情をこめて歌っている姿が見られたりします。

 そして、ステージに立ち、聴く人に感動を与えるという経験は、子どもたちの成長につながります。歌声をほめてもらうと、嬉しいものです。これからも、歌うことの楽しさを、子どもたちと一緒に味わっていきたいです。

行ってみよう 市民音楽会〈合唱のつどい〉

とき
11月23日(祝日)、午前9時45分〜午後5時
ところ
市民会館大ホール
内容
混声・男声・女声・少年少女合唱など
教えて!鑑賞のポイント

プログラムのひとつに各合唱団の有志が集まる合唱があります。団の垣根を越えたチームワークは見応え十分です。

吹奏楽団長 河野省悟さん

 吹奏楽団には、高校生から70歳代まで、幅広い年齢の人がいます。

 吹奏楽の魅力は、クラシック・ジャズ・ロックと、演奏する音楽のジャンルが幅広く、いろんな曲に挑戦できることです。例えばロックの場合、エレキギターやドラムが活躍するので、迫力がぐんと増すのが演奏していて気持ちいいです。

 楽団の目的は、多くの市民に演奏を聴いてもらい、音楽に興味を持ってもらうこと。いい音楽を生み出すためには、団員同士のチームワークが重要です。団員全員が顔を合わせて仲良くし、信頼関係を築くことが何よりも大切。聴く人が心の底から楽しんで、団員もハッピーになれるような演奏ができるよう、団結して頑張ります。

行ってみよう オータムコンサート

とき
11月8日(日曜日)、午後4時〜6時30分
ところ
市民会館大ホール
内容
「オリンピカ」「ハーリ・ヤーノシュ」ほか
教えて!鑑賞のポイント

クラシックの場合、どの曲にもストーリーと情景があります。事前に予習し、そこを意識しながら聴くと新たな発見がありますよ。

三曲協会

楽器にふれて音色を体感

三曲協会長 太田垣巧山さん

 日本の伝統的な楽器、琴と三絃(三味線)と尺八。三曲協会は、これら伝統音楽を市民に身近に感じてもらえるよう活動しています。

 私は尺八の奏者です。曲によって、どんな感情を音色に乗せれば良いかを考えて演奏しています。表現方法の追求は奥が深いので、楽しくて夢中になります。

 楽器の魅力に触れるには、体験することが一番。協会では、小学・中学校で子どもたちが楽器に触れて音色を楽しめるような普及活動や、公民館で初心者向けの体験教室などを行っています。

 私たちは、邦楽名演会や春の定期演奏会、市民さくらまつりでの邦楽演奏など、市民に聴きに来てもらえる演奏会を開催しています。少しでも多くの人に生演奏を体感してもらい、琴・三絃・尺八の素晴らしさを共有したいです。

行ってみよう 邦楽名演会

とき
10月18日(日曜日)、午後2時〜4時
ところ
福祉文化会館文化ホール
内容
琴・三絃・尺八による合奏
教えて!鑑賞のポイント

邦楽独特の「日本の音」を楽しんでください。楽器の音色を肌で感じて、こんな音が出るんだ、という発見をしてほしいですね。

秋は文化芸術を楽しむチャンス

 文化芸術に関わる人たちの活動が活発になると、まちが活気にあふれ、市民生活が豊かになります。市の文化振興には、今回紹介した団体以外にも、たくさんの人が関わっています。市では、総合計画のまちの将来像のひとつとして「みんなの“楽しい”が見つかる文化のまち」を掲げ、これからも文化芸術の発展に力を入れていきます。

 10月・11月は教育文化月間です(詳細は特集2ホームページ参照)。さまざまな団体による展示や公演等が目白押し。気軽に文化芸術にふれられるチャンスです。あなたも、この秋は文化芸術を楽しみませんか。