広報いばらき

特集 ほっと いばらき もっと、ずっと

今年4月からスタートする、10年間の計画があります。

それは、将来、茨木市をどのようなまちにしていくのか、そのためにだれが、どんなことを実行していくのかをまとめた計画です。

「第5次茨木市総合計画」

この計画の中身を、一緒に見ていきましょう。

問合先 政策企画課 電話620-1605

「ほっといばらき もっと、ずっと」は総合計画のスローガン

ほっと…熱気や活気の「HOT」+やすらぎの「ホッと」なまち

もっと…市の魅力や暮らしやすさを高め「もっと」多くの人に感じてもらえるまち

ずっと…市民にこれからも「ずっと」茨木に住み続けてもらえるまち

総合計画は将来への道しるべ

総合計画ってなに?

 総合計画とは、市の福祉や環境、都市計画などすべての計画の基本となるもので、市の計画の最も上位に位置づけられる計画でもあります。将来、茨木をどんなまちにしたいのか、その実現のために誰が何をすればいいのかを示した、いわば市の「まちづくりを進めていくための道しるべ」です。

 「まちづくり」とは、道路をつくったり、建物を建てたりということにとどまらず、福祉、環境、教育など市民生活に関わるさまざまな取組みや活動全般のことを意味します。つまり、まちをより暮らしやすく、活動しやすくしていくための取組みがまちづくりなのです。

 市税の減収や今後見込まれる少子高齢化・人口減少の影響は、今後必ず今よりも大きな課題として私たちの前に立ちふさがります。こうした経済や社会の事情を見越して、長い目で市の将来を考えたまちづくりを進めるために、総合計画が必要なのです。

 市では、約10年ごとに新しい計画を策定しており、4月から新たな第5次総合計画の運用が始まります。

キーワードは 「みんなでつくる」

 総合計画には、生活に密着した身近な施策がたくさん盛り込まれています。計画をしっかりと実現させていくためには、行政だけではなく市民や事業者と、そのめざすべき将来像を共有することが大切です。

 そこで、今回の総合計画は、「みんなでつくる」をキーワードに、「つくる」過程を大切にしました。

 市では、「みんなでつくる」を実行するため、行政と市民が一緒になってあるべきまちの姿を考える「いばらきMIRAIプロジェクト」を平成25年に立ち上げました。そのときに使ったものがロゴマークです。

 「MIRAI」には、「(M)みんなで (I)いっしょに (R)りそうの (A)あしたを (I)いま、つくる」という意味が込められています。

 このプロジェクトでは、市民のまちへの思いを、アンケートやワークショップなどさまざまな形で聴き、それらを十分に踏まえながら今回の総合計画をつくりました。では、その総合計画をつくる過程と、主な内容を見ていきましょう。

みんなの声を計画づくりに

市民の思いを聴くアンケート

 総合計画を「みんなでつくる」ための、市民の思いを取り入れる機会のひとつが、まちづくりに関するアンケートです。平成25年1月に、20歳以上の市民5千人を対象に行いました。質問内容は、「今住んでいる場所に住み続けたいと思いますか」「あなたは地域でどのような活動に参加されていますか」など、全40問。2423人から回答を得ました。これらの結果は、総合計画をつくる過程で、市民の生の声として活用しました。なお、アンケートの回答結果は、市ホームページで見ることができます。

まちづくりアンケート

Q.今後、どんな市の施策が充実したら良いと思いますか?

 市が推進する42の施策について、今後の充実への期待度を質問しました。上位5位の結果は次のとおりです。上位には、消防や防災などの緊急時の対応に関することが目立ちます。ここから、安全・安心な毎日を支える施策に高い期待が寄せられていることがわかりました。

 そこで、総合計画には重点プランに「安全・安心に暮らせるまちをつくる」という項目を設け、重点的に取り組むことにしました。

  1. 消防・救急体制の充実
  2. 防犯対策の推進
  3. 健康づくりや医療の充実
  4. 防災体制の充実
  5. 災害発生時の被害を小さくするための取組み

まちづくりについて考える場所

 アンケートに続き、市民の声を聴く場、そして市民が市の将来像やまちづくりについて語り合う場として、ワークショップ「いばらきMIRAIカフェ」を開催しました。これは平成25年7月から26年2月にかけて10回開催したもので、市内在住・在勤・在学者のべ722人が参加しました。

 ワークショップでは、まず、市の「良いところ」・「ちょっと残念なところ」や、住みたいまちのイメージなどについて意見交換し、自分たちが住むまちについて見つめ直しました。続いて、福祉や子育て、環境、産業などの分野で班に分かれ、魅力あるまちづくりのために自分たちができることを話し合いました。最終日には、みんなで話し合ったまちづくりの事業提案を班ごとにまとめ、発表会を行いました。まちづくりの関係団体や市の職員が一緒になって質問や議論を深めるなど、班をこえて交流し、活発な意見交換が行われました。

 ワークショップで得られた市民の意見や思いは、この後、計画の基本的な概念を決める際に活用されました。

ワークショップ参加者の声

古宮 貴さん

 ワークショップを通して「自分のまちである茨木をもっといいまちにしたい」と思うようになりました。この気持ちを大切にして、まずは身近なところから行動していきたいです。

八鍬弘子さん

 さまざまな年代の人との意見交換で、茨木を良くしようとする熱い想いを共有することができたので、世代を超えて手を取り合ってまちづくりができるのではないかと感じました。

つながるひろがる ワークショップから始まったまちづくり

 ワークショップが終了した後も、独自の活動を続けている班があります。そのうちのひとつが、ワークショップと同じ名前の「いばらきMIRAIカフェ」。このグループは、食べることを通じて人と人がつながり、心と体が健やかで元気になるイベント「カフェ」を定期的に開催しています。そこでは、茨木産のさつまいも「宙いも」を収穫して調理したり、市役所前から西河原公園までピクニックに出かけたりとさまざまな活動をしています。1月には「もちつき新年会」をローズWAMで行い、100人を超える人が訪れました。

 総合計画のワークショップから始まった、市民の手によるまちづくりの動き。このように楽しみながら行うまちづくりが広がっています。

人とのつながりがまちへの愛着に

「いばらきMIRAIカフェ」代表 森本康嗣さん

 まちづくりにおいて、道路や建物などのハード面は行政によって整備されますが、そこに住む人と人とのつながりというソフト面は、誰かに与えてもらうものではありません。人とのつながりがあちこちで見られるまちは、温かさが自然と伝わってくるまちだと思います。人とのつながりが増えると、まちへの愛着に発展するのではないでしょうか。

 私たちの「カフェ」は、そうした人とのつながりをつくってもらう場です。楽しく過ごすうちに新しい知り合いができ、人とのつながりが広がっていけば、「このまちが好きだ」という人がきっと増えると思います。

計画を「つくる」からまちを「つくる」へ

2つの視点で進めるまちづくり

 計画策定にあたって、アンケートやワークショップで出された声と、市が持つ魅力や市を取り巻く社会環境をもとに、まず2つの「まちづくりの視点」を設定しました(下記参照)。

 1つ目は、「みんなで育む『茨木らしさ』で 活力みなぎるHOTなまち」。茨木ならではの魅力を創造・共有・発信し、人々が元気に躍動する活気にあふれたまちづくりを進めます。

 2つ目は、「みんなで広げる『人の輪』で 笑顔あふれるホッとするまち」。コミュニティの活性化などにより、「人の輪」の中で誰もがつながりを実感し、元気に安心して地域で暮らし続けることができるまちづくりを進めます。

スローガンに込めた思い

 この2つのまちづくりの視点を結びつけた新たな総合計画のスローガンが決まりました。今後10年間続くスローガンは、2ページで紹介した「ほっといばらき もっと、ずっと」です。これは、市民には「住み続けたい」、市外の人からは「住んでみたい」「訪れたい」と思われるまちをめざして設定したものです。

 「ほっと」には、2つのまちづくりの視点で述べたとおり、熱気や活気にあふれた、まちの姿を表す「HOT」と、誰もが安心して生活を送り、やすらぎを感じ、「ホッと」できるまちの2つの意味があります。そして、この2つの「ほっと」を相互に作用させることで、新たな市の魅力をつくり出すという期待が込められています。

 「もっと」は、市の魅力や暮らしやすさを「もっと」高め、「もっと」多くの人々に感じてもらうまちづくりを進めるとともに、市民が持つ市への「誇りと愛着」を深めていくことを意味しています。

 「ずっと」は、少子高齢化や人口減少の中で、市民にこれからも「ずっと」住み続けてもらえるまちづくりを進めていく決意を表しています。

 これからの10年は、2つの「ほっと」な視点で、「もっと」多くの人に、「ずっと」住み続けてもらえる「いばらき」をめざします。

 これら2つのまちづくりの視点とスローガンは、総合計画全体の基本となる概念です。

将来の茨木はどんなまち?

 ワークショップでは、住みたいまちとして「市民が誇りをもつまち」「子育てしやすいまち」「高齢者が元気なまち」などが挙げられました。こうした市民の思いに応えられるよう、総合計画では6つのまちの将来像を描き、まちづくりの方針を立てました。

 まちの将来像には、「健康福祉」「教育・子育て」「文化・生涯学習」「安全・安心」「産業・都市計画」「環境」といった市民生活を支える分野があります。そしてこれらは、各分野に共通の「まちづくりを進めるための基盤」の上に成り立っています(下記参照)。そして、6つの将来像とそれらを支える基盤をベースにして、さまざまな施策を打ち出しました。

注目すべき二大ポイント

 6つの将来像と基盤には、それぞれに「施策」や「取組」が具体的に掲げられています。そして、それらの中から特に力を入れて取り組むべきものをピックアップし、「重点プラン」としてまとめました(下記参照)。重点プランは、「若い世代に選ばれ、高齢者がいきいきと活動できるまちをつくる」「魅力と活力のあふれるまちをつくる」「安全・安心に暮らせるまちをつくる」の3つです。これらは、複数の分野で連携して実行していきます。

 また、シティプロモーションといったまちの魅力発信にも力を入れます。これは、これまでの総合計画にはなかったもので、これまで以上に市の魅力を積極的・効果的に発信することで、市民からも市外の人からも「茨木っていいな」と感じてもらえるよう取り組みます。

まちづくりの担い手に

 みんなでつくった総合計画ができあがり、4月から計画に基づいた事業がスタートします。みんなの思いの詰まった「まちづくり」を行政だけで行うことはできません。市民もまちづくりの大切な担い手です。

 まちづくりを担う、というと難しい印象ですが、総合計画を見ると、まちづくりとは生活に密着した身近なものであることがわかります。「今住んでいるまちをもっと住みやすくするにはどうすれば良いだろう」「このまちの良いところをもっと多くの人に知ってもらうためには何ができるだろう」と思いをめぐらせてみてください。それが、まちづくりへの第一歩です。

まちづくりの視点

みんなで育む「茨木らしさ」で活力みなぎるHOTなまち

みんなで広げる「人の輪」で笑顔あふれるホッとするまち

まちの将来像

1.ともに支え合い、健やかに暮らせるまち

住み慣れたまちで、だれもが健康でいきいき暮らし続けられるよう、地域福祉や保健医療を充実させます。

2.次代の社会を担う子どもたちを育むまち

質の高い教育・保育の提供や子ども・家庭の状況に応じた切れ目のない支援を行うとともに、子どもの豊かな成長を地域社会全体で支えます。

3.みんなの“楽しい”が見つかる文化のまち

誰もが気軽に文化や芸術にふれ、生涯学習やスポーツを楽しむ環境を整えます。また、観光振興で市の魅力を向上させます。

4.市民・地域とともに備え、命と暮らしを守る安全安心のまち

あらゆる災害に備えた防災・減災対策や、消防・救急体制を充実させ、防犯活動の支援や消費者保護に取り組みます。

5.都市活力がみなぎる便利で快適なまち

優れた交通利便性や良好な環境などをいかし、市の魅力と活力向上につながる産業の育成や、計画的なまちづくりを進めます。

6.心がけから行動へみんなで創る環境にやさしいまち

生活環境や自然環境の保全に努めます。また、二酸化炭素が少なく資源が循環する取組みを進め環境にやさしいまちをつくります。

まちづくりを進めるための基盤

社会の変化に合わせ、まちづくりの基盤となる効率的な自治体運営、人権尊重のまちづくりや地域自治の推進に取り組みます。

新たな総合計画の二大ポイント

重点プラン

重点プランは、特に力を入れて取り組む施策のことです。

若い世代に選ばれ、高齢者がいきいきと活動できるまちをつくる

少子高齢化が進む中、高齢者施策の充実とともに子育て世代に選ばれ住み続けられるまちをめざす。

魅力と活力のあふれるまちをつくる

通勤や通学、買い物、観光、レジャーなどで茨木を訪れる人の増加と、雇用の拡大をめざす。

安全・安心に暮らせるまちをつくる

誰もが住み慣れた地域で安全・安心に暮らし続けられるまちをめざす。

まちの魅力発信

 より多くの人に茨木に住みたい・住み続けたいと思ってもらえるよう、市の特徴やセールスポイントを分析し、効果的な方法で市の魅力を発信します。

いろんな人の思いが詰まった、総合計画。
4月から、いよいよスタートします。

聞きに来てね! シンポジウムの開催

総合計画の内容を市民の皆さんと共有するため、次のとおりシンポジウムを開催します。

とき、3月21日(祝日)、内容、総合計画について詳しく説明、備考、詳細は、広報いばらき3月号に掲載予定、または市ホームページ参照

定員・申込などの記載がない場合は事前申込不要または当日直接会場へ。費用の記載がない場合は参加無料。