広報いばらき

特集 ごみと呼ばないで

 私たちの暮らしの中で、どうしても出てしまう「ごみ」。でも、ちょっと待ってください。皆さんの家のごみ箱にあるごみは、本当に「ごみ」ですか?ひょっとするとその中に、大切な資源が紛れ込んでいるかもしれません。

 ごみを減らし、資源を増やす。その大切さについて、改めて考えてみましょう。

問合先 環境政策課 電話620-1644 環境事業課 電話634-0351

ごみを減らさないといけない理由

なぜごみを減らさないといけないのかな?

3つの理由でごみ減量を

 「ごみを減らしましょう」。よく聞く言葉ですが、そもそもなぜごみを減らさないといけないのでしょう。その理由は次の3点です。 

環境に配慮するため!

 限りある天然資源の消費を抑え、地球温暖化防止など地球の環境を守るため、ごみを減らすことが大切です。ごみの処理には、燃料などの資源を多く必要とし、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の発生も避けられません。処理するごみの量が少なければ少ないほど、資源の消費や二酸化炭素の発生を抑えることができます。

埋め立て地のスペースには限りがあるから!

 各家庭から集められた普通ごみと粗大ごみは、市環境衛生センターへ運ばれて高温溶融炉で処理したあと、スラグや鉄分などのリサイクルできるものを取り除いた燃えかすを、大阪湾の埋め立て処分場へ運びます。しかし、現在のペースでごみが出続けると13年後にはいっぱいになってしまうと言われています。スペースは無限にあるわけではありませんので、私たち一人ひとりが、ごみの量を減らす努力をする必要があります。

ごみ処理にかかる費用を抑制するため!

 昨年度、市で回収したごみの総量は約10万3400トンでした。これは、小学校にある25メートルプール1149杯分に相当します。

 これらのごみを処理するために、約33億270万円の費用がかかりました(ごみ処理施設の建設費用を除く)。この費用の多くは税金でまかなわれています。市民1人が負担する額は、1年で約1万2千円になります。もしごみの量が増えれば、ごみを集めるための車や人、ごみを溶かす燃料の経費が増え、負担が大きくなります。処理費用の抑制のためには、ごみの減量が欠かせません。

ごみ減量のキーワードは分別と回収

じゃあ、どうしたらごみは減るのかな?

分別こそがごみ減量の近道

 ごみを減らすために私たちにできることのひとつに、ごみと資源物の分別があります。資源物とは、不要になったものの中で、リサイクルにより再生利用できるものをさし、ごみではありません。

 お菓子の缶やティッシュの空き箱を普通ごみに出していませんか?これらは資源物としてリサイクルできます。

 市から出た普通ごみの内訳を種類ごとに割合で示すと、紙が約40%と特に多く、ほかに合成樹脂が約13%、不燃物類が約4%となっています(下記)。これらの中には、雑がみやペットボトル、缶、びんなどの資源物としてリサイクルできるものが多く含まれています。

 市では、ごみは「普通ごみ」「粗大ごみ」に、資源物は「缶・びん・ペットボトル」「古紙類」に分けて収集しています。しかし、分別がきちんとされていないものも多くあるのが現状です。ごみの分別には市民の皆さんの協力が欠かせません。ごみと資源物をきちんと分別するだけで、ごみの量は減るのです。

ごみの分析表(平成25年度)

紙 41.1%
厨芥類(生ごみ等) 14.6%
合成樹脂 13.3%
ビニール 10.7%
布類 7.8%
ゴム 2.1%
木・竹・わら類 1.9%
不燃物類 4.0%
その他 4.5%

(平成25年11月現在)

分別の次に取り組むもの

 きちんと分別をして資源物を出すとき、市の収集以外にも、出せる機会があります。分別した資源物を、市ではなく自分たちで集める「集団回収」の取組みが、市内で広がっています。

 集団回収とは、自治会、こども会、女性会、老人クラブなどの地域住民の団体が、資源物を自分たちで持ち寄り、回収業者に引き渡す取組みです。では、集団回収にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

地域で取り組む集団回収

 集団回収に取り組む団体のひとつに、玉島小学校区の玉島こども会があります。年間の回収量は約18トン。毎月、回収場所には山盛りの資源物が集まります。

 同こども会では、集団回収は保護者と一緒に子どもが担当します。高齢者だけの世帯で新聞や雑誌などの重いものを回収場所まで運べない場合は、家の前に出しておくと、子どもたちが台車などを使って回収します。また、集団回収のために、分別を呼び掛けるチラシを子どもたちが手書きで作成し、地区の家を一軒一軒回って配ることでコミュニケーションが生まれ、分別のルールを守ってくれる家庭が増えたようです。

 さらに、集団回収に子どもたちが参加することで、自然と新聞や段ボールは資源物だと意識するようになり、子どもたち自身の分別に対する意欲も高まりました。

 また、同こども会では、集団回収による収益を運営費にあてることで、イベントの回数を増やすことができたようです。

集団回収の積極的な利用を

 この玉島こども会の取組みはあくまで一例ですが、「ごみと資源物を分別して出す」ということを地域の知り合い同士で始めるだけでも、分別の意識を根付かせることができます。

 また、たくさん回収すれば回収業者から受け取る収益も多くなり、地域住民団体の財源になります。

 一方で、市の収集経費も抑えられるので、税金の支出を減らすことにもつながります。市でも資源物の収集は行っていますが、地域で集団回収を行っている場合は、積極的に利用してください。

 もしまだ地域で集団回収が行われていなければ、地域の皆さんで協力して始めてみませんか。市では、活動に必要な資材の購入や活動の費用の一部として、回収量に応じて報奨金を支給しています。回収回数が年10回以上で、年間回収量が1トン以上の地域住民団体が対象で、事前に登録申請が必要です。平成24年度は、404団体が報奨金を受け取りました。詳しくは、環境政策課にお問い合わせください。

コミュニケーションをとりながら楽しく分別を

廃棄物減量等推進員 中上美津子さん

 私は、廃棄物減量等推進員として、ごみの減量と再資源化を推進するため、ごみ集積場所の現状確認や、ごみの正しい分け方と出し方の啓発をしています。

 分別は大事なことですが、「面倒なのでつい…」という人もいるかと思います。そんな人は周りの人と一緒に始めてみてはどうでしょうか。

 平成19年に資源物の分別収集が始まったときは、出された袋に資源物でないものが入っていたり、ペットボトルのキャップやラベルがはがされていなかったりと、分別のルールが徹底されていませんでした。そこで、私は集積場所で会う人などに進んで声をかけ、分別の仕方やリサイクルの重要性について話をしました。楽しく立ち話をしてお互いに顔がわかる関係になると、ごみや資源物を出すマナーも良くなります。今ではきちんと分別することを当たり前に思う人が増えたように感じます。

 地域でつながりをつくれば、自然と分別の意識も高まります。市内のあちこちで、お互いにコミュニケーションをとりながら、楽しく分別に取り組んでほしいと思います。

資源物の出し方のポイント

キャップをはずし、中を水洗いアルミキャップも同じ袋へ
缶の中にごみを入れてはダメだよ!
リサイクルで…新しい缶、建設材料に!

びん

飲食品用のびんのみキャップをはずし、中を水洗い
割れたびんは、紙で包んで粗大ごみに出してね
リサイクルで…新しいびん、タイルの素材に!

ペットボトル

キャップとラベルをはがし、中を水洗い
できるだけつぶしてね
リサイクルで…新しいペットボトル、衣類、卵パックに!

新聞

ひもでしばるか、新聞回収用袋に入れる
折込チラシも一緒に入れてOKだよ
リサイクルで…雑誌・新聞・再生紙・トイレットペーパーに!

雑誌・雑がみ

雑誌はひもでしばる
お菓子などの紙箱、ティッシュペーパーの箱、コピー用紙、厚紙、紙袋、トイレットペーパーの芯、包装紙などの雑がみは、雑誌と一緒に紐でしばる
身の回りには資源物がいっぱいだね
リサイクルで…雑誌・新聞・再生紙・トイレットペーパーに!

段ボール

開いてたたみ、ひもでしばる
底が抜ける場合があるから、段ボールに段ボールをつめたらダメだよ
リサイクルで…雑誌・新聞・再生紙・トイレットペーパーに!

※詳しくは、「ごみと資源物の分け方・出し方ガイドブック」をご覧ください(環境政策課窓口に設置、市ホームページからもダウンロード可)

※市の分別収集に出す場合のルールです。集団回収は業者によって異なる場合があります

生まれ変わらせる方法

ごみを減らせる別の方法も知りたいな!

ごみを資源物に

 ごみと資源物をきちんと分別する。そこからさらに一歩進めて、ごみを資源として生まれ変わらせる取組みとして、生ごみ処理容器の利用を紹介します。生ごみ処理容器には、電源を必要とする方式としない方式のものがあり、どちらも生ごみの体積を大幅に減らすとともに、処理後の生ごみはたい肥として利用することができます。市では、生ごみ処理容器の購入費用の一部を助成しています(下記参照)。

生ごみ処理容器で資源循環生活

 馬場輝子さんは、平成17年に電源を必要とする生ごみ処理容器を購入しました。馬場さんは、「それまでは、生ごみは直接庭に穴を掘って埋め、家庭菜園のたい肥として利用していました。でも、直接埋めると夏に虫がわくので困っていたんです。その問題が生ごみ処理容器で解決され、今では1年を通して安心してたい肥を活用できています」と話します。

 馬場さんは、毎日生ごみ処理容器を運転させます。処理後の生ごみの体積は半分以下に減り、枯れ葉のようなカサカサした手触りに変わります。庭に穴を掘って処理した生ごみを入れ、土をかぶせると、生ごみは約半年で土になじみ、たい肥になります。そのたい肥を利用して、野菜や花を育てています。「生ごみをたい肥として使うと、化学肥料はほとんど必要ありません。家庭菜園で採れた野菜は、安心して家族が食べることができるのが魅力なんです」と話す馬場さん。その野菜を料理したあとに出る生ごみは、また、たい肥として利用するので、自宅の中で資源が循環しています。

 馬場さんは、生ごみは「ごみ」ではなく、「たい肥として使う資源」として考えてきたと言います。「生ごみはすべてたい肥化するので、我が家から出る普通ごみはかなり少ないですよ。生ごみは資源に変えて、循環させるという考えが多くの人に広まればいいですね」と微笑みました。

生ごみ処理容器の購入費助成

費用、購入費の2分の1、電源を必要とするもの=上限2万円(5年以内に1基)、電源を必要としないもの=1基につき上限5000円(5年以内に2基まで)、100円未満の端数は切り捨て、備考、予算の範囲内で随時先着順に受付。申請は2月末まで。申請手続き前に購入すると助成は受けられません。申込、環境政策課に設置の申請書(市ホームページからダウンロード可)に必要事項を記入し、同課

まとめ

 ごみと思っていたものが資源として生まれ変わることができれば、環境にもお財布にも優しくなります。ごみの中から資源を救い出し、新しい形に生まれ変わらせるためには、市民の皆さんの協力が必要不可欠です。分別を実践する人が多ければ多いほど、大きな成果が得られ、ごみ減量にもつながります。

 資源物は、生まれ変わらせてまた利用することができます。もう、ごみとは呼ばせない。皆さんも、できることから始めてみませんか。

4月からごみ・資源物の出し方が一部変わります

 ごみを減らすため、また資源の有効活用をするため、4月1日からごみと資源物の出し方が変わります。すぐにできるごみ減量への第一歩です。ご協力ください。

古着・古布類

例えば

シャツ、ズボン、スカート、ジャケット、セーター、コート、靴下、下着類、ハンカチ、ネクタイ、マフラー、カーテン、タオル、シーツ、毛布、着物など

出し方

月1回(古紙類の収集日)
洗って乾いた状態のものを、中身が見える透明な袋で出す

注意!!

次の品目は、普通ごみか粗大ごみへ
雑巾、ビニール製・綿・羽毛のもの、電気毛布、座布団、布団、枕、カーペット、足ふきマット、油等で汚れたもの

※地域の集団回収へ優先して出してください

化粧品びん

例えば

化粧水、乳液、ハンドクリーム、軟膏などのびん(透明・不透明、無色・有色は問わない)

出し方

月2回(缶・びん・ペットボトルの収集日)
キャップをはずし、中身を出して軽く洗ってから、飲食品用のびん類と合わせて出す

粗大ごみ小型

こんなもの

30センチメートル以上1メートル未満のもの
ガラス類、飲食品用・化粧品以外のびん

例えば

家庭電化製品、布団、じゅうたん、カーペット、剪定した枝幹など

出し方

月1回(月の1回目の粗大ごみの収集日)できるだけ分解したり、たたんだりして紐等で結束する

粗大ごみ大型

こんなもの

一つの辺が1m以上のもの(ただし、幅・高さ・奥行のいずれかは1m未満)

例えば

家具類、自転車など

出し方

月1回(月の2回目の粗大ごみの収集日)

詳しくは、「広報いばらき」3月号と同時期に配布されるリーフレットをご覧ください