いばらき市議会だより

市長の施政方針に各会派が代表質問

 3月3日に市長の施政方針の説明が行われ、これに対して、3月7日・8日に各会派が代表質問を行いました。

 主な内容は次のとおりです。

茨木市民フォーラム

小林美智子〔質問者〕
桂 睦子、米川 勝利

駅前を市玄関口にふさわしい空間に

JR茨木駅・阪急茨木市駅西口周辺の再整備については、駅ビル等の関係権利者の意思決定が主体となると思うが、玄関口をどう描くかが重要である。そのような状況の中、市はどのような空間が玄関口としてふさわしいと考えているのか。

本市の文化や魅力を象徴するだけでなく、多くの方が集い、活動し、それがどんどん広がっていくことを感じさせる、そのスタートとなる空間であると考えている。

障害者差別解消に関する条例制定は

障害者差別解消法が施行されたことに加え、平成29年度は茨木市障害者施策に関する第3次長期計画及び茨木市障害者福祉計画の最終年度でもあることから、条例については多くの対話を重ね、30年度の制定を望むが、制定へ向けた手法やスケジュールについてはどうか。

条例制定に当たり、障害者施策推進分科会に有識者や障害当事者、市民などを委員とする専門部会を設置し、さまざまな視点から議論を行い、平成29年内には案として取りまとめ、パブリックコメントを経て、30年3月議会に上程する予定である。

本市農林業の推進は

本市の農林業推進に当たり、農林業を多面的に捉えた「農林業振興ビジョン」の策定を望むが、現在の「農業振興地域整備計画」と「農業経営基盤強化促進構想」で十分であると考えているのか。

近年、ほとんどの農家が兼業農家となり後継者不足が進む中、農業者だけではなく市民の参加はもちろんのこと、環境問題や福祉との連携など、農業の果たす役割を広く捉えた多面的な計画が必要と考えている。策定に当たっては、大阪府が平成29年度に策定予定の「新たなおおさか農政アクションプラン」の内容も踏まえたものとしたい。

大阪維新の会

大野 幾子〔質問者〕
塚 理、長谷川 浩、萩原 佳、岩本 守

阪急・JR両駅間の一方通行化を

より安全で快適、経済的でロスのない都市整備のため、阪急茨木市駅からJR茨木駅間の道路一方通行化を早期に実現してはどうか。

一方通行化は、歩行者、自転車、自動車の通行を分離し、安全性と快適性を向上させるだけでなく、道路空間を利用した活動を促し、沿道の賑わい創出にも寄与するとともに、まちなみ形成などに大きく関係するものと考える。しかし、その実現には、地元住民等の理解と茨木松ケ本線の整備による交通量の変化を見極めることが必要と考えている。

子育て支援サービスの選択肢拡充を

共働き子育て世帯にも、在宅子育て世帯にも、子育ての支援サービスの選択肢を増やして、日常的にも、いざというときにも、頼れる制度を構築すべきではないか。

次世代育成支援行動計画に基づき、保育の量的拡充や、集いの広場の整備を進めるなど、子ども、保護者の置かれている環境に応じた子育て支援サービスの充実を図るとともに、ニーズに応じたサービスを適切かつ円滑に利用できるよう、より身近な地域での利用者支援事業を実施していく。

幼児教育・保育の無償化を

子育て世帯の負担軽減、市外在住者の市内流入増のために、幼児教育・保育の無償化を実現すべきではないか。

国において、幼児教育・保育に係る利用者負担額の無償化が段階的に図られているが、限られた財源をどの施策に配分していくのか、ナショナルミニマム(ナショナルミニマム:国が保障する最低限の生活水準)として実現するべき施策か等、施策・制度のあり方を含め検討する。

地産地消のさらなる推進を

食の安全・安心の確立、市民の健康増進のため、地産地消をさらに進めるべきと考えるが、地元農業者に地場産製品を生み出し続けていただくために、戦略的なPR、農業者のニーズ把握、使いやすい制度の構築をしてはどうか。

新規営農者への支援、都市住民や大学との連携等を引き続き行い、本市農業が持続的に経営できるよう、環境づくりに努める。また、農業者や農業団体とは、意見交換をし、地場産野菜づくりや加工品の生産を進めており、引き続きPR等にも努めていく。

税収向上のための手法は

本市の財政状況は、市税収入が多少増えているものの、インフラ整備や新しいまちづくりを楽観視できない状況が続く。国の補助金により、市税負担抑制を図っているが、いかに税収を生むかは市長の手腕にかかっている。市長の意気込みを問う。

本市の強みである「教育のまち茨木」の取り組みを進めることにより、子育て世代に住みやすさをアピールすることを基本に、北部地域の魅力向上をはじめとした「まちの価値を高める」事業に加え、企業活動の促進を図る事業の展開等、将来においてさらなる税収効果を生み出す事業の実施に努める。

民進ネット

田中 総司〔質問者〕
安孫子浩子、稲葉 通宣、友次 通憲

地域包括ケアシステムの構築を

地域包括ケアシステム(地域包括ケアシステム:重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される仕組み)の構築にかかる「在宅医療・介護」連携は喫緊の課題であり、施策推進のため、医師会との取り組みをスタートさせることは評価するが、この課題について、現時点でどのような取り組みが必要と認識しているのか。

市民が安心して地域で暮らし続けるためには、医療、介護等のサービスが切れ目なく提供できる体制の構築と、在宅療養に対する市民の理解が重要であり、本市の在宅療養支援を取り巻く医療・介護現場の実態把握や分析、課題解決策の検討が必要と考える。

北部地域における公共交通は

新たなまちづくりが行われ、子育て世代の転入が進む北部地域の公共交通について、今後想定する交通機関の内容、便数の確保など利便性の向上についての考え方を問う。

地域の課題を踏まえ、実情に合った交通の導入が求められていると考える。新規開発地については、路線バスが担うものと考えているが、安定した需要の見通しや幹線道路の整備、モノレールとの連絡も考慮しながら、公共交通の利便性確保に努める。

彩都西部地区に交番設置を

彩都西部地区に警察官立寄所を整備することになったが、その施設の完成と開設時期はいつか。また、交番設置は地元住民の切実な願いであり、関係機関への提言、要請が必要ではないか。

警察官立寄所は、平成29年度中の完成を目標に建設を進め、施設完成後、速やかに開設する予定である。また、交番設置については、引き続き、住民や彩都建設推進協議会と連携を図りながら、大阪府警察本部に対して、粘り強く要望していく。

ユースプラザの意義と開設場所は

市長は、居心地の良い「第3の居場所」が広がるまちづくりが必要と述べているが、ユースプラザ(ユースプラザ:さまざまな支援を要する中学・高校生等の居場所と併せて、子ども・若者と保護者の相談機能を有する拠点として開設するもの)はこれに当たると考えてよいのか。また、開設場所はどう考えているのか。

ユースプラザはさまざまな生きづらさを抱える子ども・若者が、家庭や学校以外での信頼できる大人とのかかわりを持つことで、自分らしくいられる場所を目指していることから、「第3の居場所」とも捉えることができる。開設場所については、子ども・子育て支援を推進する単位とした5ブロックを目安に、公募の受託事業者に実施場所を含め、事業提案していただく予定である。

日本共産党

畑中 剛〔質問者〕
朝田 充、大嶺さやか

子ども医療費助成対象年齢の状況は

子ども医療費助成について、早期に対象を中学校卒業まで引き上げるとともに、順次、年齢引き上げに向け努力するよう求める。本市の現状が通院、入院とも対象年齢が小学校6年生までであるのに対し、北摂7市の平成29年度の実施予定はどのようになっているのか。

平成29年度の北摂7市の実施状況は、箕面市が通院、入院の対象年齢を高校卒業年度までの拡大を予定しており、その他の市については、豊中市での引き上げにより、本市を除き、通院、入院の対象年齢は、中学校卒業年度までになる予定と把握している。

自校直営の中学校給食を

中学校給食について、現状の選択制ではなく、自校直営方式による全員喫食の温かい給食の実施を求めるが、これまで2回実施したアンケートの結果をもとに、今後どのように検討していくのか。

平成28年度実施のアンケートの結果では、児童・生徒の5割以上が現状の選択制度を、保護者の6割が全員喫食を望んでおり、25年度実施のアンケート結果と同じ傾向を示している。今後、さまざまな意見を踏まえ、学識経験者、PTA、市民団体等の意見を聞きながら、中学校給食のあり方について検討する。

高齢者移動支援の検討は

高齢者の移動支援について、市民から、山間部の交通支援、市内路線バスの増便、JR・阪急両駅間の乗り継ぎ券の発行等、さまざまな願いが届いているが、平成29年1月下旬から行っている移動支援の実態調査の結果を踏まえて、今後、どのような協議、検討を行っていくのか。

山間部等、公共交通が不便な地域での移動支援や、高齢により運転できなくなる高齢者に対する移動支援の検討が必要と考えている。今後、移動実態調査の結果を踏まえ、バス事業者とともに、公共交通の利便性を向上させる取り組みを検討する。

自由民主党・絆

下野  巖〔質問者〕
福丸 孝之、上田 光夫、上田 嘉夫、中内 清孝、辰見 登

JR駅エスカレーター設置の進捗は

駅前再整備について、JR茨木駅エスカレーター設置工事が進められているが、工事に遅れが生じていると聞いている。現在、どのような状況なのか。

エスカレーター設置工事においては、大阪方の階段を閉鎖し、京都方の北側に、新たに設置した仮階段を供用開始したところ、朝夕の混雑が著しく、危険な状況となったため、現在、朝夕のみ大阪方の階段の一部を供用しながら工事を進めている。このことにより、工程の見直しを行い、平成29年春に予定していた供用開始が同年秋に変更となった。

JR新駅周辺の道路整備の考えは

総持寺付近に設置されるJR新駅は、近隣地域の利便性の向上や地域の魅力向上につながるものと考えている。新駅近辺では、周辺整備工事が進められているが、新駅から北方向、国道171号に至る道路・歩道の改良状況について、市の考えはどうか。

JR新駅から国道171号までの道路改良については、現在、阪急総持寺駅からJR新駅間で、水路のボックス化による歩道整備を施工しており、同様の工事を平成30年度より、順次、施工していく予定である。

患者急増時の混雑解消策を

夜間の小児診療は、高槻島本夜間休日応急診療所まで行かなくてはならないが、インフルエンザ流行時などは、大変混雑し、解消について相談を受けている。また、その対応策として、茨木市医師会との連携や市内在宅勤務医等への応援を依頼してはどうか。

夜間休日応急診療所では、高槻、茨木、摂津市の医師会及び大阪医科大学の医師により出務体制をとっているが、インフルエンザ等の流行時期には、どの小児科診療所も非常に混雑するため、医師の増員は困難である。また、在宅勤務医等の応援についても、流行時は同様の状態であることから、応援依頼等は困難である。

救急医療の充実と必要性の啓発を

今後増加すると予測される救急需要に対し、救急隊員の知識や技術の向上とともに、医療機関との連携を深めるべきではないか。また、救急要請の必要性についての啓発や周知は、どのようにしていくのか。

救急需要への対応については、救急隊員の資質の向上を目的に、医師との勉強会を行うなど、連携を深めていく。また、救急車の適正利用については、広報誌やホームページで周知するとともに、ポスターやリーフレットを使用した啓発を行っていく。さらに、医療相談ができる救急安心センターおおさか#7119の利用についても引き続き啓発していく。

商店街や小規模事業者への支援は

市内の小規模事業者が事業継続困難となり、廃業する事例を耳にする。小規模事業者が減少すれば、商店街も崩壊する恐れがあるが、商店街や小規模事業者への支援策をどう考えているのか。

商店街や小規模事業者を取り巻く環境は厳しく、放置すれば衰退する恐れがあると認識している。このような状況に対応するため、金融支援や経営相談等の事業継続支援に取り組んでおり、新規出店者等に対しても、金融支援等の制度を設けている。また、意欲ある若者や女性等による創業の促進と成長を支援し、産業活力の維持向上を図っていく。

自治会加入促進への取り組みは

自治会への加入促進のために、6月を自治会加入促進月間として広報誌等で啓発を行っているが、自治会の加入促進については、行政がどこまで先導できるものと考えているのか。また、地域課題解決のためにどのような仕組みを考えているのか。

これまで、自治会加入への啓発運動や自治会活動報奨金などの支援を行ってきたが、今後、自治会連合会の意見を聞きながら、モデル像を協議するなどの取り組みが必要と考える。また、まちづくり関連の専門家による分析を地域に還元することで、地域の方が、地域課題を検討できる仕組みを考えている。

公明党

河本 光宏〔質問者〕
大村 卓司、青木 順子、松本 泰典、篠原 一代、坂口 康博

阪急茨木市駅西口周辺の再整備は

阪急茨木市駅の西口周辺再整備等に向けて、市は策定中のどの計画に位置付けるのか。また、国や大阪府に対してどのように協力を求めているのか。

市の立地適正化計画等に位置付ける予定であり、平成29年度末に都市計画決定を行い、32年度からの工事着手を目標としている。再々開発事業となり、事例も少ないことから、これまで府や国と協議を重ね、都市計画決定等に一定の理解が得られたところであり、活用できる補助制度等の検討に取り組んでいる。

子育て支援全般を重点政策へ

待機児童の課題のみならず、まずは中学生までの子ども医療費助成制度の拡充、妊婦健診費用の全額公費助成、就学前幼保の保護者負担無料化など、子育て支援全般を重点政策にする必要があると思うが、市の考えはどうか。

第5次総合計画の重点プランや総合戦略の基本目標として、子育てに対するさまざまな支援を掲げている。また、少子化・子育て支援施策の要望は届いているが、限られた財源をどの施策に分配していくのか等を施策・制度のあり方を含めて検討する。

救急需要増加への対策は

安心できる地域医療・救急医療体制の充実について、どのように進めてきたのか。また、市内での救急の受け入れが上限に達し、受け入れができないということであれば、今後増加が見込まれる救急需要に対して、どのような方策を考えているのか。

三師会(三師会:茨木市医師会、茨木市歯科医師会、茨木市薬剤師会)等との連携を深め、在宅から救急まで包括的に提供される体制づくりを進めてきた。市内外を問わず、専門医師による救急診療に速やかにつなぐことが市民の安心につながるものであり、その実現に向けて方策を検討していく。

糖尿病重症化予防事業の効果は

新たに糖尿病性腎症重症化予防事業が予定されていることは評価できるが、連携等の取り組みの特徴は何か。また、どのような広がりや効果が期待できるのか。

特徴は、地域薬局の薬剤師がコーチングスキルを習得し、医師と連携し、患者の疾病の改善、進行抑止や生活習慣の改善を図ることである。また、効果については、進行防止や改善により医療費の抑制につながることや、身近な薬局で生活習慣指導を受けることが可能になるものと考える。

セラピー市としての取り組みを

市北部や元茨木川緑地等の資源を活用し、セラピー市として取り組める要素があると考える。このような取り組みにより市民の健康意識が高まり、健康づくりを推進できると考えるがどうか。

森林環境や緑を利用したセラピーは、心身の健康維持・増進、疾病の予防を目指すもので、医学的根拠があるとされている。他市の取組事例を参考にしながら、事業効果について研究を進める。

若い世代の結婚の後押しを

若い世代の関心が高い課題として、雇用・結婚・子育て支援があり、対策を望む若者の声が全国的に高まっている。本市においても、さらなる取り組みを期待するが、特に結婚についての対策はどのように考えているのか。

これまで本市が実施してきた結婚・子育てに前向きになれる取り組みの結果等を踏まえながら、今後は、結婚を後押しできる取り組みを、誰がどのように担っていくことが有効であるか庁内関係課と協議する。