いばらき市議会だより

市長の施政方針に各会派が代表質問

 6月9日に市長の施政方針の説明が行われ、これに対して、6月13日・14日に各会派が代表質問を行いました。

 主な内容は次のとおりです。

大阪維新の会・茨木

長谷川 浩〔質問者〕

大野 幾子、塚 理、滝ノ上万記 中井 高英、山崎 明彦 山本 隆俊

企業主導型保育事業への関与は

政府が積極的に展開しようとする企業主導型保育事業の実施に当たり、自社等の従業員が利用する「従業員枠」とは別に、地域の住民等が利用する「地域枠」を設けることが可能であることから、市として企業へ要請等の関与をしていくべきと考えるが、見解はどうか。

企業主導型保育事業は「地域枠」の設定も可能であることから、関係課と連携を図りながら、市ホームページ等を活用し、積極的な周知に努めている。

中心市街地全体の活性化を

中心市街地活性化として、JR茨木駅西口や阪急茨木市駅西口周辺の再整備をあげているが、阪急茨木市駅東口も同様に再整備が必要と考える。また、駅前だけではなく、中心市街地全体を面として考えるグランドデザインを描くことが重要ではないか。

中心市街地の将来像としては、多くの市民が集い活動するエリアとして、本市の発展や中心部にふさわしい魅力や活力の向上につながるような面的な視点と各計画の調和も考慮し、一方通行化も視野に入れ、計画の検討を進めていく。

中学校給食を全員喫食に

中学校給食は、成長期の中学生に栄養バランスのとれた安全・安心な昼食を提供するとともに、健全な心身を育み、健やかな成長と学びを支えるものと考える。給食を生きた教材として食育を進める観点からも、現在の選択制ではなく全員喫食にすることは、教育的意義が大きく、重要課題ではないか。

学校給食の教育的意義を念頭に、平成25年10月に実施した前回のアンケート結果も踏まえながら、生徒の昼食の実態把握やアンケートを行い、全員喫食実施に当たっての、課題を分析し、整理していく。

「生きる力」の育成を

「教育のまち 茨木」として、子どもたちの「生きる力」を育成するためには、知・徳・体をバランスよく育てていくことが大切だが、社会全体で子どもたちを育むために、今後の取り組みやビジョンをどのように考えているのか。

これからの変化の激しい社会を生きる子どもたちのために、学校・家庭・地域が連携し、一人ひとりの子どもたちが自分の能力や可能性を最大限に伸ばして、自らの人生を豊かに切り拓いていくことができるような教育を目指していく。

防犯カメラ設置拡充と活用を

犯罪の抑止力や早期解決につながる防犯カメラについて、通学路での台数はまだまだ少ない。市民の安全と安心を見守るために、主要駅や河川に防犯カメラを設置し、冠水被害へ対応したり、高齢者の見守りに活用している自治体もあるが、どのような活用方法を考えているか。

通学路の防犯カメラは10月からの運用に向けて準備中で、その効果を検証する必要がある。主要駅での設置については、茨木警察署等と連携しながら検討する。また、河川への設置については、河川は大阪府の管理であるため、府へ設置を要望していく。高齢者の見守りについてはカメラの機能を付加する必要があり、他の自治体を調査し、効果や課題を調査研究していく。

市主体で実施する総合事業とは

市町村が地域の実情に応じた取り組みができる「介護予防・日常生活支援総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業:全国一律の基準で実施されていた介護予防給付のうち、「介護予防訪問介護」と「介護予防通所介護」を市町村の事業に移行し、市町村が中心となって、地域の実情に応じて、住民等の多様な主体による多様なサービスを充実することで、要支援者等に対する効果的かつ効率的な支援等を可能にするもの。)」では、市町村が主体的にリーダーシップをとりながら事業を行うことについて、どのように考えるか。

市では高齢者や介護者等の生活状況や支援ニーズをはじめ、社会資源等の実態を具体的に把握できることから、市がリーダーシップを取ることにより、利用者の実情に応じたサービスの多様化を図ることができると考えている。

北部地域の整備計画は

市北部地域では、安威川ダムや新名神高速道路の建設に伴い、さらなる魅力を創造するデザインを描くとしているが、具体的なプランはあるのか。また、安威川ダムの周辺整備は、どのような進捗状況なのか。

北部地域について、現時点では点在した形となっている資源をつなぎ、地域で活動する組織や人との関係についてのデザインを描いていく。また、安威川ダム周辺整備については、関係地域や公募による市民の皆さんから幅広い提案をいただいており、この提案等を示しながら、整備内容等の具体的な事業計画を検討していく。

日本共産党

朝田 充〔質問者〕

大嶺さやか、畑中 剛

耐震化への助成制度創設を

本市の耐震改修施策について、高齢者や障害者などの社会的弱者が、耐震化を理由に住むところを追い立てられることがないよう、相談窓口設置等の対策を講じるべきではないか。また、マンション等集合住宅の耐震性を高めるため、改修に対する市独自の助成制度を創設してはどうか。

市民の生命と財産を震災から守るために、耐震化は必要であるが、耐震化を起因とした対応については、その内容によって各課で対応していく。また、助成制度については、耐震診断補助制度に加えて、府内でもいち早く、6月の補正予算に共同住宅の耐震改修等に対する補助金を計上している。

税金滞納疑惑の徹底解明を

前市長親族の税金滞納疑惑について、市民は特別待遇があったのではとの疑惑を抱いており、議会に提出された監査結果でも指摘されている。原因の徹底解明が必要と考えるが、今回、立ち上げる庁内組織とは、どのような組織なのか。

今回立ち上げる庁内組織については、監査結果を重く受け止め、市税滞納処分等に関する事務を総点検し、公平・公正な事務執行の確立に向けた事務改善を行うことにより、市民の信頼回復を図るものである。

こども医療費助成制度の拡充を

こども医療費助成制度について、3歳から12歳の所得制限の撤廃は評価するものである。しかし、本市は対象年齢についても、次々と他市に先を越され、遅れた部類に入るようになっていることから、早期に対象年齢を中学校卒業まで引き上げるべきではないか。

今回の拡充は、受診率の高い3歳から12歳までの子育て世帯が、安心して子育てができる環境を整えるため、所得制限を撤廃するものであり、さらなる拡充については、今後、検討していく。

自由民主党・絆

上田 嘉夫〔質問者〕

福丸 孝之、上田 光夫、下野 巖、辰見 登

ひとりも見捨てない教育推進は

「ひとりも見捨てない全国トップレベルの教育」については、「茨木っ子ジャンプアッププラン28(第3次学力・体力向上3カ年計画)」までの取り組みが着実に成果を出し、全国トップレベルを維持している。しかし、茨木っ子は、知力は優れているものの、体力は全国平均に達しておらず、また、今後はコミュニケーション力などの総合力が必要と言われている中、どのように取り組んでいくのか。

「ひとりも見捨てない」という考え方を大切にしながら、体力向上などの課題に取り組むとともに、主体的に判断する力、課題を解決していく力、コミュニケーション力など、これからの時代を生きる子どもたちにとって重要となる資質・能力を育成することを目指した第4次学力・体力向上計画を策定していく。

集落営農組織に対する支援は

田畑、里山は地域の財産であるが、営農を続けるには、人手や資金が必要と考える。本市では都市部に近い土地柄、小規模農家が多く、人手不足などにより農業を続けられないなどの問題がある。そのような中、遊休農地の解消を図るために集落営農組織に対する支援とはどのようなものなのか。

農業を継続するためには集落等を単位とした営農の取り組みを進めていくことが求められており、これを促進するため集落営農組織による農業機械の導入に対し、支援策を構築するものである。

地域医療充実の具体的内容は

茨木市には大きな総合病院がなく、医療の充実を市民の多くが強く望んでいることについて、「(仮称)健康医療推進分科会」を新設し、地域医療の充実を図るとは、具体的にどのような内容なのか。

「健康いばらき21」や「食育推進計画」、「国保データヘルス計画」の進行管理を行っていく。また、三師会(茨木市医師会、茨木市歯科医師会、茨木市薬剤師会)等との連携のもと、在宅から救急までの切れ目のない医療サービスが提供される体制づくりなどの医療分野における施策についても調査審議し、地域医療の充実に努めていく。

歴史・文化のまち魅力の発信は

茨木は古くから街道の街として栄え、川端康成や隠れキリシタンの里、また、日本書紀に記述される媛蹈鞴五十鈴媛命(ひめたたらいすずひめのみこと)など、多くの魅力ある財産が眠っているが、「歴史・文化のまち魅力の発信」について、どのように取り組んでいくのか。

「歴史・文化のまち魅力の発信」について、シティプロモーション基本方針の中で、歴史・文化資源は本市の重要な魅力の一つと位置付けており、観光協会とも連携しながら、それらの魅力を発掘し、発信することで、市民の本市への誇りと愛着を深めるとともに、市外からの興味を呼び起こし、今まで以上に注目されるまちになることをめざしていく。

中心市街地活性化基本計画は

中心市街地活性化基本計画の策定において、JR茨木駅周辺、阪急茨木市駅周辺、市中心地の交通アクセスについて、その過程や今後の進め方について、どのように考えているのか。

計画期間を5年間とし、中心市街地活性化協議会の意見を聴きながら、平成29年度の内閣総理大臣の認定をめざし策定を進めていく。計画の内容については、JR茨木、阪急茨木市駅周辺の再整備や市民会館跡地利用、市中心部の道路の一方通行化などの取り組んでいる計画について、住民等、関係者と調整しながら、具体化が図られたものを計画に位置付けていく。そして、計画に基づき事業を推進し、にぎわいを生み育て、人が活動するエリアとしての魅力増進につなげていく。

公明党

坂口 康博〔質問者〕

大村 卓司、青木 順子、松本 泰典、篠原 一代、河本 光宏

全国トップクラスの教育とは

「ひとりも見捨てない全国トップレベルの教育」について、最も学力が低位な子どもへの取り組みは今後どのように進めていくのか。また、英語教育の充実を図る「英語シャワーデイ(英会話を集中的に浴びる時間)」の年間予定回数と概要はどのようなものか。

最も学力が低位な子どもへの支援は大きな課題であり、家庭と連携したきめ細かな対応が必要と考えている。また、英語シャワーデイは、小学5年生から中学3年生の各クラス年1回、外国人英語指導講師と英会話を集中的に行う授業で、実際に英語を使うことで、英語に対する学習意欲が向上すると考えている。

新たな芸術文化施設の建設は

多くの市民が関心を高めている市民会館の建替えについて、市民と対話しながら進めるとのことであるが、市民会館跡地と福祉文化会館の場所に、新たな芸術文化施設の建設をイメージしているのか。また、大まかなスケジュールをどのように考えているのか。

福祉文化会館を含めた市民会館跡地に、新たな芸術文化施設を建設することについては、その必要性も含め、「市民会館100人会議」での対話や議論を通じて、市民や各団体の想いに傾聴し、検討を進めていきたい。また、スケジュールについては、平成28年度中に提示したいと考えている。

災害時のトイレ設置目標は

地域を守る自主防災組織について、結成の現状と課題はどのようなものか。また、避難所のトイレの確保は災害のたびに深刻な問題と言われているが、今後のトイレ設置に関して、その目標数と設置根拠はどのようなものか。

現在、29の自主防災組織が結成され、防災訓練の実施など、地域防災力の強化に向け協力いただいているが、組織の活性化に向けた取り組みや、今後の活動のあり方に苦慮している団体もある。また、災害時のトイレ設置については、都市緑化機構の『防災公園技術ハンドブック』に基づき、全体で70基のマンホールトイレの設置を予定している。

こども医療費助成拡充を

出産・子育てに関する市民アンケートで医療費助成制度の拡充を望む声が最も多い。こども医療費助成制度について、この制度は子育て世帯への力強い支援と考えるが、今回小学6年生まで所得制限がなくなったことに続き、中学3年生までの年齢拡充については、どのように考えているのか。

今回の拡充は、受診率の高い3歳から12歳までの子育て世帯が、安心して子育てができる環境を整えるため、所得制限を撤廃するものであり、さらなる制度の拡充については、今後、検討していく。

待機児童ゼロ達成に向けて

本市の保育所待機児童について、「めざせ!待機児童ゼロ」達成宣言をしているが、その宣言の重さについてどのような認識を持っているのか。また、全国的に私立保育所等の保育士が不足しているが、本市の認識と対策をどのように考えているのか。

待機児童の解消は、本市の喫緊の課題と認識しており、市長マニフェストの重点施策として位置付けていることから、来年度の待機児童解消を目指して取り組んでいく。また、本市においても加配保育士の確保が困難であるなどの状況にあると認識しており、その対策として、私立保育所等のニーズを踏まえた取り組みを実施し、それでもなお、保育士不足が続くようであれば、追加方法も検討していく。

歯科口腔保健の重要性の認識は

高齢化の時代にあって、歯科口腔保健を改善し維持するためには、若い頃からの習慣や歯科健診が大切である。その対策として、歯科健診の年間実施期間の拡充や通院できない方への訪問歯科健診などが考えられるが、高齢化社会のQOL(QOL:Quality of Lifeの略で、生活の質のこと。)向上のための施策として、その重要性をどのように認識しているのか。

高齢化社会における健康QOL向上のため、歯科口腔保健の改善と維持は重要性が高いと認識しており、歯科健診については今後、実施内容の充実について検討していく。

茨木市民フォーラム

米川 勝利〔質問者〕

桂 睦子、小林美智子

北部地域の総合的な施策展開を

北部地域について、先行している彩都やダム等のハード事業だけではなく、今ある資源やその価値を再発見し、農林や教育等のソフト事業も併せて進めていくべきと考えるが、北部地域全体の事業構想の必要性と今後の進め方をどのように考えているのか。

北部地域は本市にとって財産であり、高齢化の進行や農業の担い手不足などの地域課題を踏まえた、これからのあり方などを考えていくことが必要である。現時点では点在した形となっている資源をつなぎ、地域で活動する組織や人との関係についてのデザインを描き、今後、市の体制整備も含め、計画を推進するための方策を検討していく。

対話を重視した市政運営とは

市長が重要視する「対話」による市政運営には、住民自治が前提となり、住民自治の構築には、住民参加の機会を保障する過程で対立や衝突が生じた場合でも、合意形成を図る力が求められるが、市政運営での「対話」についてどのような見解を持っているのか。

「対話」とは、住民参加の手法の一つで、行政が地域住民の意思を反映して運営するための、最も基本的な行為である。多様な価値観を持つ人々が暮らす社会であるからこそ、多くの人と「対話」や「議論」をすることにより、市民一人ひとりが幸せを実感できる市政運営を進めていきたい。

早期療育体制の再構築は

発達に課題のある児童へのより有効な早期療育体制の再構築について、現在の課題は何か。またどのように再構築していくのか。

現在の課題は、乳幼児健診の結果により早期療育の必要性を見極めること、保護者の理解を得る場がないこと、公立の早期療育事業に連続性がないことである。そのために、親子ひろばの開設をはじめ、公立療育施設の役割分担と再編、保・幼・小学校間の情報共有のあり方などを含めた再構築を考えている。

民主ネット

中村 信彦〔質問者〕

友次 通憲、安孫子浩子、田中 総司

新快速電車停車への取り組みは

エキスポシティ開業やガンバ大阪ホームスタジアムの完成により、JR茨木駅の利用者が増えているが、新快速電車の停車に取り組むには、まちづくりとセットにした取り組みが必要ではないか。

JR茨木駅西口の再整備や通勤・通学利用者を増やすなど、市の魅力と活力の増進を図るまちづくりなくして、新快速の停車はないと考えており、その実現のためには、新快速を停めたくなるまちづくりを具体化していくことが必要であると考えている。

耐震化率達成の課題と対策は

民間建築物の耐震診断と耐震改修を支援するとともに、共同住宅の耐震改修費用の補助制度を新設するが、本市の「住宅・建築物耐震改修促進計画」では、平成32年度までに住宅の耐震化率95%以上の達成が求められている。現状の課題と対策については、どのように考えているのか。

耐震性を満たさない戸数が、平成26年度推計で、木造戸建て住宅で4864戸、共同住宅等で8703戸と共同住宅が多い。共同住宅は費用面や合意形成が困難なため耐震化が進みにくい状況であることから、耐震改修補助制度を創設するものである。また、市内建築物の耐震化の促進に向け、出前講座やマンションセミナー、建築相談会での啓発に努めていく。

合理的配慮の取り組みは

市のプラネタリウムは、デジタル化されたすばらしい施設だが、現在の場所では障害者差別解消法に定める「合理的配慮」が物理的に無理であるため、フラットに利用できる場所へ移設するべきではないか。また、民間の「合理的配慮」は努力義務であるが、市として民間の取り組みに対する助成制度を導入してはどうか。

プラネタリウムの移設については、障害者利用への配慮も踏まえ、今後、公共施設の整備を進める中で検討する。民間への助成等については、さまざまな事案があり、どのような場合に合理的配慮の不提供に当たるのかを含め、検証していく必要があることから、今後の課題と考えている。

公契約の指針の運用実績等は

公契約の適正な履行を図り、市民が豊かで安心して暮らせる地域社会の実現に寄与することを目的として、平成26年12月に「公契約に関する指針」を策定したが、策定後の運用実績と指針の条例化についてはどのように考えているのか。

運用実績については、役務の提供に係る業務委託において最低制限価格適用の試行、全登録業者を対象とした法令順守に関する指導文書の配布等を行った。指針の条例化については、国の施策による労働者の労働環境への影響等を注視しながら、情報収集、研究を行う。