いばらき市議会だより

一般会計補正予算質疑

 一般会計補正予算質疑を9月4日に行いました。
 主な質疑内容は次のとおりですが、誌面の都合上、質疑の一部しか掲載できません。詳しい内容は、南館1階情報ルーム及び各図書館に設置している会議録をご覧ください。
 また、市議会ホームページでもご覧いただけます。(いずれも11月中旬予定)

自由民主党・絆

辰見 登

他市依存の救急体制の解決を

本市の救急医療体制について、循環器科等で受け入れ体制が整わず、他市の医療機関に依存していることから、救急搬送に時間がかかり、死に至る病気もあると考えている。また、助かったが重度の障害が残り、多額の医療費が必要となるなど、この悪循環の連鎖を早期に解決すべきではないか。

平成26年度から市内2次救急医療(2次救急医療:重症度に応じて初期(1次)、2次、3次救急医療の3段階体制をとっており、2次は入院治療や手術を必要とする重症患者に対応する救急医療のこと。)機関強化が先決と考え補助金を支出していることから、市内搬送率が向上し、救急にかかる時間も短縮され、医療費の抑制につながるものと考えているが、ICU(集中治療室)等を有する総合病院の誘致や大学医学部との連携も、解決方法として取り組みを進めている。

公明党

大村 卓司

交通利便性向上の取り組みは

市は公共交通の空白地があることを認識しているが、昨年3月に策定した総合交通戦略の中には、「多様なタクシーサービスの展開」、「山間部における公共交通の確保」との記載がある。交通利便性向上のための福祉交通やデマンド交通(デマンド交通:予約型の乗合タクシーのことで、予約に応じて自宅と目的地の間を、複数の人が乗り合い運行する交通システム。)について、本市における現在の取り組み状況はどうか。

山間部におけるデマンド交通については、社会実験等を行い地域の実情に合った利用しやすい交通手段を住民とともに検討する予定をしている。多様なタクシーサービスの展開は、移動困難者への交通の確保につながることから、福祉部局と連携し、交通事業者やNPO法人等にサービス導入を呼びかけていく。

大阪維新の会・茨木

大野 幾子

北部地域の活性化策は

本市北部地域を中心に有害獣による農作物被害が広がる中、狩猟による猪肉や鹿肉を用いたジビエ料理を活用し、市の魅力発信や活性化につなげてはどうか。また、旧北辰中学校跡地について、市は宿泊施設やレストラン等をイメージしているが、見山の郷などとの相乗効果をどのように狙っていくのか。

ジビエ料理の活用については、旧北辰中学校の跡地利用の取り組みの中で、食についてもテーマとして位置付けており、その中で検討しているところである。また、見山の郷をはじめ、他の周辺施設との関係は、それぞれの特色をいかして、相乗効果が図れるように検討していきたい。

自由民主党・絆

福丸 孝之

公平性を考慮した寄附講座を

大阪大学における本市寄附講座(寄附講座:行政や企業等が大学に寄附し、大学はその寄附で一定期間継続的に研究や教育活動をするもの。)について、公平性や妥当性の観点から、なぜ、本態性振戦(原因不明の「ふるえ」)やパーキンソン病に効くといわれている集束超音波治療学であるのか。また、大学と医療の連携が進むことはとても魅力的であるが、医師の派遣を確約するような協定書を大学と交わしておくべきではないか。

集束超音波治療学は、本態性振戦やパーキンソン病に効果があるだけでなく、脳腫瘍や乳がんなどにも応用を図ることができる研究であり、将来につながる第一歩であるものと考え選定した。協定書については今後締結していくが、医師の派遣については、現実的でなく、2次救急における阪大病院への受け入れなどを期待している。

民主ネット

安孫子 浩子

障害を理由とする差別の解消を

平成28年4月1日に施行される障害者差別解消法で、行政は障害者に合理的配慮をすることが法的義務となるが、これまでの対応とどのように違ってくるのか。また、障害者が不当な差別的取り扱いを受けた場合や合理的配慮がされなかった場合の相談は、どうすればよいのか。

法の施行により、行政機関等は、その事務、事業の公共性に鑑み、障害者差別の解消により率先して取り組む必要がある。相談については、既存の機関等の活用・充実を図ることとされていることから、今後、相談や紛争解決などに対応する職員の業務の明確化、専門性の向上を図り、障害者差別解消を推進する体制整備に努める。

公明党

篠原 一代

一体性ある彩都のまちづくりを

彩都東部先行2地区で事業が進められているが、高齢化が進む近接の山手台や北部地域の将来像を見据え、一体性のない開発にならないよう、常に需要を調査し、開発を進めていくべきではないか。また、北部の財産である緑豊かな自然を活用した土地利用も考えていくべきではないか。

彩都東部地区のまちづくりの検討を進めている有識者会議において、山手台を含む北部地域の高齢化の進展状況を考慮したまちづくりや、地域資源である自然をいかした土地利用について意見をいただいていることから、その方向性に対応したまちづくりを関係者と連携し、進めていきたい。

大阪維新の会・茨木

塚 理

高齢者施策で竹田市と連携を

「日本創成会議」が発表した地域の介護提供能力の余力を示す介護ベット準備率で、三島医療圏では2015年マイナス23%、2040年にマイナス80%が予想され、危機的状況にある。本市と歴史文化姉妹都市提携している大分県竹田市では、2040年にプラス17%が予想されていることから、地方移住が軸となっている日本版CCRC(CCRC(Continuing Care Retirement Communityの略。):東京圏をはじめとする高齢者が、自らの希望に応じて地方に移り住み、地域社会において健康でアクティブな生活を送るとともに、医療介護が必要な時には継続的なケアを受けることができる地域づくりを目指すもの。)を竹田市と連携して取り組んではどうか。

高齢者施策については、住み慣れた茨木で、最後まで暮らしていただけることを基本に、地域の包括的な支援・サービス提供体制である地域包括ケアシステム等、介護・医療体制の充実に取り組んでいきたいと考えているが、竹田市との連携は、どのような方法があるのか研究していく。

住民の声をくみ上げる優先順位は

自治会は住民の声をくみ上げる組織であると考えるが、声をくみ上げる優先順位は個人、団体、自治会ではどの声が優先されるのか。

声をくみ上げる優先順位については、その内容によって優劣が決まるものであり、単純に個人、団体、自治会のどの声が優先されるものではない。しかし、自治会の総意として決定されたものについては、自治会員個人としての意見と比べて自治会の総意が尊重されるべきだと考える。

日本共産党

大嶺さやか

待機児童解消のため正職採用を

他市よりも多い待機児童について、その要因は単純に保育施設が無いから入ることができないのではなく、保育士がきちんと配置されていないためと考える。市自らが待機児童を発生させているという認識に立って、保育が計画通りに推進できる人数の正職保育士を採用すべきと考えるがどうか。

保育士採用について、パートの臨時職員の方が、効率的・機能的な場合もあるので、すべて正規職員を配置する考えはない。今年は3人の正規職員採用を実施するが、臨時職員と正規職員の配置を考えた上では、むしろ正規職員に余剰人員が増えると思っている。

民主ネット

田中 総司

地域協議会の今後のあり方は

平成24年10月に策定された地域コミュニティ基本指針に位置付けられている地域協議会(地域協議会:本市では、小学校区の地域住民が自ら責任を持って、よりよい地域づくりに向けて、自治会等の多様な主体が連携・協働して地域を運営する組織。)について、市は重みを持って対応していくとのことであるが、この協議会の活動に対する、財政的支援の現状と活動拠点の確保策について、どのように考えているのか。

地域協議会への財政的支援については、結成準備や結成初動期の活動に年間30万円を2回、結成登録後には、事業経費と運営経費として、それぞれ最大50万円の交付金を設けている。また、活動拠点については、コミュニティセンター(コミセン)がその役割を担うと考えており、公民館のコミセン化を進めながら、自由に使える事務所や集会機能を備えるようにしていきたい。

茨木市民フォーラム

小林美智子

防犯カメラ設置の課題は

来年度からの債務負担行為(債務負担行為:ある事業が単年度で終了せず、後の年度においても債務を負担しなければならない場合に、あらかじめその内容を定めておくこと。)で、全小学校区通学路へ防犯カメラの設置が提案された。課題として、周辺住宅のプライバシーへの配慮等があるが、場所選定や周辺住民との協議はどうするのか。また、市補助を活用した自治会設置及び設置予定のカメラが通学路にある場合はどうするのか。

カメラの設置場所は、小学校区の主要な通学路など、府警本部等から助言を受けながら選定し、学校やPTA関係者等と協議し決定していくとともに、できる限り住宅が映らないよう場所等を調整し、プライバシーにも配慮していきたい。また、すでに通学路上に設置されたカメラは市営化するなど自治会と調整するほか、設置予定のものについても、重複しないよう十分調整を図っていく。

公明党

河本 光宏

地方版総合戦略の活用を

第5次総合計画の実施計画は、5年間の計画期間の中で、毎年度、内容の見直しが行われるが、新たに策定される地方版総合戦略の考え方を来年度の第2期の実施計画策定時に盛り込むことで、総合戦略の実効性が増すとともに、総合計画の施策を総合的に展開することが期待できるのではないか。

総合戦略の推進に当たっては、実施計画に位置付けて行うことを想定しており、今後、戦略の考え方を具体化する中で実施計画に反映していく。また、総合戦略を総合計画の施策評価及び実施計画に組み込むことで、さらなる充実と着実な総合戦略の推進を図っていく。

自由民主党・絆

上田 嘉夫

適正な選考基準の設定を

本市の普通及び粗大ごみ収集業務委託に係る契約事務について、市長からの要求による監査の結果では違法または不当ではないが、選考基準が厳しく、適正な契約事務の検討を求めるというものであった。選考基準の中で、特に、営業経験年数が30年以上ということに疑念を抱くところであり、選考基準を変更すべきではないか。

現在の選考基準は、資本金1千万円以上、従業員数30人以上、営業経験年数30年以上等と定めているが、選考基準が厳しいと監査結果で示されていることから、基準の見直しを検討していく。特に、営業経験年数については、早急に見直しの検討を進めていきたい。