いばらき市議会だより

市長の施政方針に各会派が代表質問

 3月2日に市長の施政方針の説明が行われ、これに対して、3月4日・5日に各会派が代表質問を行いました。

 主な内容は次のとおりです。

自由民主党・絆

福丸 孝之〔質問者〕
上田 光夫、下野 巖、上田 嘉夫、辰見 登

地元高校生や大学生の参加を

青少年健全育成について、地元の高校生や大学生が、地元の小・中学生とかかわることは、双方にとって実りあるものと考える。小学校の放課後子ども教室において、市内の各大学に学生ボランティアの参加を呼びかける際に、地元の高校生や大学生へのアプローチも必要ではないか。

学生ボランティアの参加呼びかけについては、市内の各大学の事務局を通して行う予定であるが、地域の子どもは地域で育てるという、地域における教育コミュニティづくりに、学生のかかわりも必要であるため、ホームページ等を活用し、市内在住者への積極的な参加を呼びかけていく。

在宅子育て家庭への支援は

つどいの広場の開設など、在宅子育て家庭への支援が徐々に広がっているが、0歳児から2歳児までの子ども一人当たりの財政負担額は、保育所利用の場合と在宅の場合、それぞれいくらになるのか。また、在宅子育て世帯への今後の施策について、どのように考えているのか。

0歳児から2歳児までの子ども一人当たりの財政負担額は、保育所利用で177万1320円、在宅で5万2874円である。今後、つどいの広場等の地域子育て支援拠点事業及び一時預かり事業の拡充を図るなど、地域で気軽に利用でき、より身近で保護者同士も交流できるよう支援していく。

集中豪雨への対策は

近年、集中豪雨による災害が各地で起こっており、本市も例外ではない。小手先だけの対応ではなく、抜本的な取り組みが必要だと考えるが、本市域の問題点の認識と中長期的な対策はどのように考えているか。

本市では、内水被害、河川氾濫、山間部の土砂災害への対策が特に重要であると認識している。その対策として、本市においては、内水対策として、下水道施設等のハード整備を推進するとともに、府による河川整備計画の推進や土砂災害防止施設等の整備による対策とあわせた、総合的な雨水対策を進めていく。

三島うどを守る対策は

三島うどは、一定のブランドとして見られているが、生産者は非常に減っている。資本主義の流れで、非効率的、非生産的なものが淘汰されるということは避けなければならず、伝統文化として守っていくべきと考えるが、市の見解と、今後の対策はどうするのか。

三島うどは、数年前まで太田地区や千提寺地区の数軒で栽培されていたと聞いているが、現在は千提寺地区の1軒のみとなっている。なにわの伝統野菜にも指定されている三島うどの生産を絶やさないことを願っていたところ、新たな担い手が見つかったので、栽培が軌道に乗るよう支援していく。

基金取り崩しの理由と影響は

平成27年度の予算編成を踏まえ、中長期財政見通しはどのように変化したのか。また、特定目的基金の取り崩しを行っているが、その理由と、今後の財政にどのような影響を与えるのか。

中長期財政見通しについては、今回の予算を踏まえての変更はしていない。また、特定目的基金の取り崩しについては、その収支調整と目的に沿った適切かつ有効な活用の観点から行ったものであり、今後も厳しい財政状況が続くことが予想されるため、その趣旨を踏まえ、活用していく。

日本共産党

大嶺さやか〔質問者〕
朝田 充、畑中 剛

耐震化率を高める取り組みを

住宅や民間の特定建築物の耐震化について、マンション等集合住宅の耐震性を高めるために、耐震調査実施の促進と、改修のための市独自の助成制度を創設、拡充してはどうか。

耐震化率向上のためには、共同住宅の耐震化が課題と考えているが、まずは、耐震診断が実施されるよう啓発に努めていく。また、耐震改修の支援制度については、創設できるよう検討していく。

河川改修工事の早期実施を

洪水・浸水対策では、安威川流域の堆積土砂浚渫(浚渫(しゅんせつ):港湾・河川・運河などの底面を浚(さら)って土砂などを取り去ること。)工事の早期実施と、そのための予算増額、また、遅れている茨木川、勝尾寺川の河川改修工事の早期実施を、府に強力に要請すべきではないか。

安威川流域の堆積土砂浚渫工事については、引き続き河川管理者である府に要望していく。また、茨木川、勝尾寺川については、時間50ミリ程度までの降雨に対する流下能力は確保できているが、府において、現在、河川整備計画の見直しを行っており、本市として必要な改修がされるよう、要望していく。

児童の安全対策の補助金復活を

予算編成において、市民生活にしわ寄せするだけではなく、維新府政が削減した予算の復活を強く要望すべきと考える。その中でも、子どもの命に関わる児童の安全確保のための小学校校門受付員配置の補助金復活を府へ求めるべきではないか。

児童の安全確保のための補助金復活については、引き続き、市長会から府及び国に対して、学校等の安全対策事業の財政措置を要望しているところである。

公 明 党

篠原 一代〔質問者〕
大村 卓司、青木 順子、松本 泰典、河本 光宏、坂口 康博

本市の医療体制の課題は

総合病院の誘致について、安心・安全の医療体制の提供は責務であると思うが、これまで三島医療圏域の広域連携で医療体制の充実を図ってきた経緯があるが、どのようなところに課題があり、何が必要だと考えているのか。

課題について、本市は一般病床が少ないこと、ICU(集中治療室)やNICU(新生児集中治療室)を持つ病院が存在しないことなどと考えている。また、2次医療圏域での病床基準は理解しているが、他市に依存しない医療体制の構築が必要であり、総合病院の誘致は課題解決策のひとつであると考えている。

保育の供給確保の方策は

4月から子ども・子育て支援新制度がスタートするが、待機児童対策は喫緊の課題である。これまでのニーズ調査をもとに、待機児童解消整備計画の策定を予定しているが、保育の需要のピーク及び供給を確保する方策をどのように考えているのか。

保育需要は、平成27年度をピークに減少すると見込んでいるが、供給確保の方策としては、幼保連携型認定こども園の新設、私立保育所の建替えを視野に入れた定員の増、公立幼稚園の認定こども園化などに取り組み、積極的かつ計画的に待機児童を解消したいと考えている。

プレミアム付商品券の戦略等は

プレミアム付商品券の発行について、国の補正予算を有効に使い20%のプレミアムをつけて発行していくとのことだが、時期を含めて最大の経済効果が出るような戦略が必要だと思うが、どのように考えているのか。

商品券の発行時期は、秋頃を予定している。また、一部の券を小型店舗のみで利用できる専用券とするほか、参加や換金に係る経費負担を取扱加盟店に求めないなどの工夫をし、地元事業者の活性化や取扱加盟店の拡大を図っていく。

公共施設管理の取り組みは

公共施設等の老朽化対策は深刻な課題であるが、長期的な視点をもって財政の平準化を図りながら計画的に行う必要がある。国は、公共施設等総合管理計画の策定を求めているが、現在の本市の取り組み内容と、今後の取り組みについてどのように考えているのか。

現在、道路や下水道等のインフラ部門も含めた各公共施設の所管課からなるプロジェクトチームを立ち上げ、ガイドラインの策定に取り組んでいる。今後、施設の再編等について、行政課題の解決に資する、時代に対応した施設の有効活用に軸足を置いた、公共施設等総合管理計画を策定していく。

避難施設の機能強化等は

あらゆる災害に対応するため、避難施設等の機能強化をどのように図っていくのか。また、被災者支援システムを導入されたが、総合防災訓練時の活用についてはどのように考えているのか。

応急救護所となる指定避難所に、太陽光パネルや蓄電池設備を整備するとともに、一時避難地に選定している公園に防災設備を整備していく。また、被災者支援システムについては、平成27年度実施予定の市内全域防災訓練時に、被災者台帳の入力や被災証明発行訓練での活用を検討している。

こども医療費助成の拡充は

こども医療費助成について、0歳から2歳までの所得制限を10月に撤廃するが、所得制限を設けたまま中学校3年生まで拡充するということは検討されたのか。また、それぞれの市負担の額はどうか。

所得制限を設けたまま中学校3年生まで拡大した場合、必要経費は約4千700万円、0から2歳までの所得制限撤廃による必要経費は約2千500万円と見込んでいる。今回は最も受診率が高い年齢帯の所得制限を撤廃し、子育て世帯の負担軽減を図った。さらなる対象者拡大については、今後の財源状況や他の子育て支援策を勘案しつつ、検討していく。

民主ネット

中村 信彦〔質問者〕
友次 通憲、安孫子浩子、田中 総司

人権施策推進の取り組みを

同和事業対策地域においては、今なお解決すべき多くの課題が残されている。市として、第2次人権施策推進基本方針をもとに、取り組みを充実させる必要があると考えるが、総合計画などにどのように位置付けているのか。また、市民意識調査はどのような結果であったのか。

人権施策推進基本方針は、第5次総合計画において、人権尊重のまちづくりを推進するための分野別計画であり、具体的な取り組みは、平成27年度に策定予定の次期人権施策推進計画で定めていく。また、意識調査の結果からは、忌避意識の広がりなど、多くの人権課題が残されていることがうかがえたため、引き続きさまざまな活動等に取り組む必要があると考えている。

多文化共生のための計画は

市内の外国人に対しては、市役所の窓口対応をはじめ保育所入所、医療現場、地域コミュニティなど、具体的な対応が求められる機会が増えているが、市として、多文化共生の基本方針や計画策定のために有識者懇談会を設置してはどうか。

本市では、昭和55年に茨木市国際親善都市協会を設立し、その活動の中で、多岐にわたる多文化共生に取り組んでいる。協会会員や協力者には有識者も多数含まれているが、指針や計画策定については、今後、検討していく。

重度障がい者への支援とは

重度障がい者が入院の際に、医療機関との意思疎通が円滑に行うことができるよう、27年度からコミュニケーション支援を実施する予定であるが、このサービスの必要性をどのように認識しているのか。

入院時の看護は、本来、医療法に基づく対応であるが、障がいによっては、医療機関での意思疎通が円滑に行えず、適切な対応がなされない場合があるため、安心して医療が受けることができるよう支援するものである。

生活困窮者の自立支援について

平成27年度から本格実施される生活困窮者自立支援事業について、市は1年間モデル事業を実施したが、その総括的な結果はどのようなものか。また、今後、取り組みを予定している相談支援・家計相談等とは、どのようなものか。

モデル事業においての相談内容には、生活費だけでなく、就職や住まいのことなど複合的なものが多く、市民の認知度も高くなっている。平成27年度からは、複合的な相談に対応するため、家計相談、法律相談なども行い、自立に向けて、包括的かつ継続的に支援していく。

茨木市民フォーラム

桂 睦子〔質問者〕
小林美智子、米川 勝利

市長のリーダーシップとは

平成27年度は、木本市長にとって、任期4年目の仕上げの年でもある。市議会議員を長く務めてこられた市長の議員時代には、本会議でリーダーシップ論を展開されていたが、市長としてのリーダーシップについてどのように考えるか。

リーダーシップについては、私が法律や条例に関わりなく政策を提案し、それを副市長はじめ、職員が法律や条例、費用対効果などを検証する。それを受けて、協議をし、実行するかどうかを最終的に決断する。これがリーダーシップだと考えている。

中心市街地活性化の今後は

平成26年度から、中心市街地活性化基本計画の策定に着手し、今後、中心市街地活性化協議会を設置していくが、その協議会の構成と今後のスケジュールをどのように考えているのか。また、阪急茨木市駅とJR茨木駅周辺の動向を踏まえて、28年度末に基本計画を策定するのか。

協議会の構成は、商業とまちづくりからの参画に加え、福祉、大学、交通事業者など、多様な主体で27年度早期に設立したいと考えている。また、基本計画については、阪急とJR両駅前周辺の再整備の動向なども踏まえ、28年度に国の認定を得ることを目標に、視野の広い計画となるよう、協議会において工夫していきたい。

男女共同参画への対応は

男女共同参画を考える上で、セクシュアル・マイノリティ(セクシュアル・マイノリティ:性的少数者のこと。性的指向が同性に向かう同性愛者、性自認において生物学的な性とこころの性に違和感を覚える性同一性障害の人などが含まれる。)の問題について、どのように取り組んでいるのか。また、配偶者暴力相談支援センターが平成27年4月に設置されるが、被害者対応はもちろん、加害者対応についてどのように考えているのか。

セクシュアル・マイノリティの問題については、現在策定中の第2次茨木市人権施策推進基本方針の主要課題の一つとしており、今後策定する次期人権施策推進計画で検討していく。また、加害者への対応は欠かせないものと認識してるが、刑罰以外の法整備も不可欠であるため、国・府の動向や民間団体の取り組みに注視していく。

大阪維新の会・茨木

長谷川 浩〔質問者〕
大野 幾子、塚 理、滝ノ上万記、中井 高英、山崎 明彦、山本 隆俊

防犯カメラ設置補助の拡充を

昨今、凶悪犯罪が発生している中、本市では、防犯カメラの設置について、昨年度から設置補助をしている。補助金だけではなく、公費での設置を望むところであるが、補助申請には、自治会だけではなく、地域に根ざした活動をしている団体も含めてはどうか。

防犯カメラの設置補助については、自治会からの要望も多く寄せられているため、設置補助台数を拡充し、引き続き実施していく。また、補助対象となる団体については、今後検討していく。

自主防災活動促進の啓発を

自然災害の増加、激化による被害が頻出している中、地域ぐるみの防災意識を高める自主防災活動促進の啓発に、今後どのように取り組んでいくのか。また、地域防災力向上のため、公費で防災士の資格取得支援をしてはどうか。

自主防災活動については、市広報誌や防災ハンドブック、出前講座などを利用し、その重要性を啓発するとともに、平成27年度は各地域の自主防災組織と協働し、市内全域を対象とした防災訓練を実施していく。また、防災士資格取得については、自主防災組織に対して、その経費を全額補助することで、自主防災組織活動の促進につなげていく。

中学校給食の全員喫食を

学校教育の中で、中学生の食の充実や中学校給食を生きた教材として食育を進めるという観点から、全員喫食の教育的意義は大変大きく、進めるべき重要課題と考えるが、見解はどうか。

現在、多くの生徒が現行の中学校給食と、家庭から持参する昼食の選択制を望んでいることから、引き続き、選択制の給食を実施していく。また、栄養教諭等と連携しながら、食育の推進に努めるとともに、生徒や保護者の意見も参考にしながら、喫食率を高める方策を検討していきたい。

ひとり親家庭の就業支援を

ひとり親家庭の就業支援として、ある自治体では、自立していくためのプログラムを作成し、求人情報や資格取得のための訓練紹介などを行っている。本市としても、就業支援の充実を図るべきではないか。

本市では、ひとり親自立支援員2人が資金貸付や就業、子どもの養育などについての相談に当たっており、平成27年度からは、母子・父子自立支援プログラム策定事業を実施し、一人ひとりの状況に応じた、きめ細やかな就業支援を図っていく。

病院誘致の検討内容は

救急体制の充実と強化が望まれる中、特に、小児科救急体制の拡充は急務だと考える。施政方針の中で、総合病院の誘致とあるが、現段階で検討している具体案はあるのか。

総合病院の誘致については、現時点で具体案を示せる段階ではないが、医療体制の充実は本市にとって重要な政策課題であるため、病院誘致に向け、検討していく。

交通対策への取り組みは

エキスポランド跡地の大型商業施設等のオープンによる市内各道路の渋滞が予想されるが、どのような対策を考えているのか。また、鉄道では、JR茨木駅西口が玄関口となるが、バスターミナルは平面移動ができないなど、早急な対応が望まれる。このことについてどのように考えているのか。

交通対策については、府、吹田市、事業者等で設置された連絡会に本市も参画し、対策を要請しているが、今後も、円滑な交通の流れの確保などが進むよう取り組んでいく。また、JR茨木駅西口について、バス停への平面アクセスは喫緊の課題であるため、横断歩道の設置等の暫定的な整備について関係機関と協議していく。

認知症支援の充実を

厚労省の認知症への取り組みの中に、認知症サポーター養成講座があるが、本市として、この講座の普及、啓発活動を積極的に行うべきではないか。また、認知症を65歳未満で発症した場合、若年性認知症とされるが、このことに特化した福祉サービスを、今後充実していく必要があるのではないか。

講座については、新規サポーターの養成だけでなく、さらに地域で活動していただけるよう、過去に受講したサポーターへのフォローアップ研修等も実施していく。また、若年性認知症については、支援ハンドブックの配布など、周知に努めているが、若年性認知症の方が、適切な障害福祉サービスなどにつながるよう、きめ細やかな支援に努めていく。