いばらき市議会だより

市長の施政方針に各会派が代表質問

 3月3日に市長の施政方針の説明が行われ、これに対して、3月5日・6日に各会派が代表質問を行いました。
 主な内容は次のとおりです。

公 明 党

青木 順子〔質問者〕
大村 卓司、松本 泰典、篠原 一代、河本 光宏、坂口 康博

こども医療費助成の制限撤廃を

子育て支援策として、すべての子どもが安心して医療が受けられるよう、医療費助成対象を中学校3年生までに拡大し、さらに所得制限も撤廃してはどうか。

年齢制限については、昨年7月に小学校6年生までに拡大したところであるが、今後も子育て支援の観点から、対象年齢の拡大や所得制限の撤廃など、制度の充実に向け適切な方策を考えていく。

高齢者へのごみの戸別収集は

ごみ出しの困難な高齢者を対象に、見守りにもつながる戸別収集サービスが、平成26年度から始まると聞くが、対象者はどのように設定されるのか。また、その周知方法や進め方はどうか。

対象については、65歳以上で要介護3以上、身体障害者手帳1級または2級、療育手帳A、精神障害者保健福祉手帳1級に該当する方のみで構成される世帯である。周知方法は、広報いばらき4月号やホームページに掲載し、要綱を制定して実施していく。また、収集時に、ごみが出ていない場合には、声かけを行う。

スポーツ奨学金の創設について

青少年の競技スポーツの充実に努め、茨木市からオリンピック選手を輩出するという気概で人材を掘り起こし、育成するために「スポーツ奨学金」を創設してはどうか。

現在、全国大会への出場選手には激励金を出しているが、これからのオリンピックに参加できる選手を育成するために、報奨金制度についても考えていく。

自転車事故を減らす取り組みは

市内の交通事故件数は減少しているが、依然として自転車事故の割合は高い状況である。自転車通学や通勤者への啓発など、事故をなくす取り組みをどのように進めるのか。

高校生の自転車通学運転免許証講習会の実施校を増やすとともに、自転車マナーアップ運動等を警察と連携して行い、危険な自転車運転利用者への指導、取り締まりを強化していく。

中学生にピロリ菌の抗体検査を

若年層のうちにピロリ菌を除菌することで、将来にわたって胃がん、胃潰瘍など多くの胃の病気を防ぐことができると言われている。そこで、中学生を対象にピロリ菌抗体を調べる検査を行ってはどうか。

がんは早期発見、早期治療が効果的であることから、すでに実施している市町村の取り組み内容を参考に、効果や経費負担などについて研究していく。

高齢者の就業機会の拡大を

働きたいと希望している高齢者は非常に多く、その受け皿として、シルバー人材センターの機能を強化してはどうか。また、高齢者の就業機会を拡大するために、行政が、企業や団体とマッチングを行うような事業を展開してはどうか。

高齢者の就業機会を提供するシルバー人材センターの役割は大きいものと認識しており、引き続き支援していく。また、計画中の(仮称)地域支え合いセンターでも、企業や団体とのマッチングによる高齢者の就業機会の拡大を検討する場を設けるなど、高齢者の生きがい活動や地域貢献を目的とした事業を実施していく。

茨木市民フォーラム

小林美智子〔質問者〕
桂 睦子、米川 勝利

事情を持つ子どもへの支援を

中学校を卒業し、高校に行かなかった、あるいは中退した、また、更生施設から戻ってきた等の事情を持つ子どもたちは、地域でのつながりも薄く、社会との接点がほとんどない中で暮らしている。このような子どもたちにこそ支援が必要だと考えるが、どのような取り組みをしているのか。

青少年の保護、社会復帰の支援という立場から、保護司会より、青少年問題協議会の委員として参画していただいている。今後、委員からの意見等を踏まえ、青少年健全育成事業について検討していく。

DV相談支援センターの設置を

平成24年6月に第2次茨木市男女共同参画計画が策定され、DV(ドメスティック・バイオレンス)に対する施策は1項目から28項目に増えたが、さらなる取り組みとして、司法対応もできる配偶者暴力相談支援センターの設置を検討してはどうか。

配偶者暴力相談支援センターの設置については、すでに設置している他市の事例を参考とし、関係機関と協議しながら、相談時間や緊急対応体制等も含めて検討していく。

災害時の市内施設の役割分担を

災害時において、性犯罪だけでなく、妊産婦への相談・対応、日本語以外を母語とする方など、少数派とされる方への対応を充実させる必要があるが、ローズWAMや子育て支援総合センター等の市内施設における役割分担を防災計画やマニュアルに明記すべきではないか。

ローズWAM等の施設については、それぞれの施設の役割があるため、災害時において、子どもや女性への配慮の視点を持って活用できるよう、地域防災計画の改定や、マニュアルの作成時に各施設の役割分担について検討していく。

日本共産党

畑中 剛〔質問者〕
大嶺さやか、朝田 充

こども医療費の助成拡充を

こども医療費助成制度について、府内の先進自治体では、すでに中学校3年生までに、対象年齢を拡大して助成しているが、本市においても、子育て世代の人口増加を促すために、年齢や所得の制限を撤廃してはどうか。

子育て世帯の関心が医療費助成の条件に集まっていることは、十分認識しているが、制度の拡充については、財政負担等を勘案して適切な方策を考えていく。

高齢者福祉施策の後退中止を

市内6か所の老人福祉センターの廃止、特に、高齢者の居場所確保に不可欠な入浴施設の廃止は、憲法や老人福祉法の精神と趣旨に逆行するものであり、廃止計画を撤回すべきであると考えるがどうか。また、その施策の実施時期は、いつからか。

高齢者施策については、市民の高齢化に伴う諸課題に対し、持続可能な施策に再構築を行うものである。実施は、平成26年度からの事業もあるが、基本的には平成27年度の実施をめざす。また、条例改正は適切な時期に提案する。

高齢者へのバリアフリー対策は

高齢者の外出を支援するためには、公共交通機関による移動支援の積極的な推進が求められるが、鉄道駅とその周辺や市道のバリアフリー化整備に対する認識はどうか。

バリアフリー化の整備については、鉄道駅と、その周辺や市道、また、必要に応じて国道、府道についても、平成26年度から策定予定のバリアフリー基本構想に位置付けて、取り組んでいく。

民主みらい

安孫子浩子〔質問者〕
友次 通憲、中村 信彦、田中 総司

JR・阪急両駅の機能強化を

国土交通省道路局の資料には、交通結節点は「つなぐ空間」と「たまる空間」としての役割を果たすとあるが、JR茨木駅と阪急茨木市駅について、どのような課題があり、その解決方法は、どのようなものか。

両駅とも西口に多くのバスが乗り入れており、通過交通が駅前広場に流入する形状となっていることや、バリアフリーに対応できていない等の課題がある。課題解決には交通事業者や関係機関等と連携して取り組み、協議を進めていく。

人権施策の今後の課題は

本市におけるこれまでの人権施策推進基本方針で取り上げてきた人権課題のうち、すでに解決したもの、解決していないもの、新たに課題となったものは何か。

これまでの取り組みにより、人権問題への理解は進んではいるが、女性や子ども、高齢者、障害者、同和問題などの課題が残っていると認識している。また、学校でのいじめや虐待、近親者による暴力やインターネットを通じた人権侵害など新たな課題も生じてきている。

認知症サポーターの研修は

認知症サポーター(認知症について正しく理解し、認知症の人やその家族を温かく見守る応援者)への対応力向上研修を実施すると聞くが、研修受講後にサポーターが活躍するに当たって、どのような効果があるのか。また、その課題とはどのようなものか。

対応力向上研修は、認知症本人や家族と課題を共有して、問題解決にあたるもので、サポーターの積極的な自主活動が活性化するという効果があるものと考えている。課題としては、本人やその家族のニーズとサポーター活動とのマッチングであると認識している。

公契約制度確立への取り組みは

公契約制度については、平成24年度から庁内組織が立ち上げられ、事業者や労働者へのアンケート調査を行ったと聞くが、その結果はどうだったのか。また、公契約条例制定に向け、どのように取り組むのか。

アンケート結果では、事業者、労働者ともに適正な価格での入札や契約を望む意見が多かった。今後は、最低賃金の引き上げなど、労働者の雇用環境の変化や労働環境の影響を注視しながら、条例化を含めた研究、検討を行っていく。

日本維新の会・茨木

滝ノ上万記〔質問者〕
大野 幾子、塚 理、長谷川 浩、中井 高英、山崎 明彦、山本 隆俊

すべての子育て世帯の支援を

在宅で子育てしている方、保育園に預けている方の区別なく、すべての子育て世帯全体を経済的に支援できる、例えば、子育て応援券といった支援策を実施してはどうか。

平成25年12月に実施した次世代育成支援に関するニーズ調査結果では、子育て世帯への経済的支援を求める割合が高くなっていることから、子育て応援券も含め、どのような施策が有効であるか研究していく。

総合計画のわかりやすいPRを

平成27年から10年間のまちづくりの指針となる第5次総合計画は、ジオラマや映像を併せてつくるなど、誰もがすぐ見てわかる計画にしてはどうか。

総合計画は映像等で表現しにくいものであるが、できる限りわかりやすい表現や簡潔な構成で策定する。また、概要版や若い世代にも理解が得られるよう読みやすいガイドブック的な冊子の作成や講演会の開催等も企画していく。

防災ハンドブックの活用を

防災ハンドブックは、女性や子ども、高齢者、障害者、外国人など多様なニーズに配慮した内容に変更されると聞くが、関係機関の協力や、幅広く配布したり、施設に配置するなど、いざという時の支援の輪を広げることにつなげてはどうか。

大災害の教訓や関係機関などから意見を聴取し、多様なニーズに応えられるよう対象者別に支援方法などを掲載する。また、出前講座や地域の防災訓練などで幅広く配布し、支援の輪を広げられるよう努めていく。

医療従事者の確保を

市内の救急医療体制の充実を図るためには、本市で働く医療従事者の確保についても、これまで以上の取り組みを期待するがどうか。

市内の医療従事者不足は、深刻な問題と認識しているので、医師などの医療従事者を確保するために、平成26年度から2次救急医療に対する補助制度を実施する。また、今後も積極的な確保に努めていく。

40歳未満の健康診査を

特定健康診査の受診率については、低い受診率が続いているが、40歳未満の人でも無料で受診できる健康診査を実施し、自発的に健康管理をする人の健康を守り、かつ受診率を向上させてはどうか。

受診率向上の取り組みとして、未受診者に対し、郵送による通知や電話による受診勧奨を行っている。40歳未満の市民には、500円の受診料で健診を実施しているが、受診率の向上や経費負担の面から無料化も研究していく。

特認校制度や小中一貫校を

山間部の小学校児童が減少していることを逆に生かして、子どもたちが豊かな自然の中で安心して学び、成長できる環境を整えていくような積極的な姿勢が必要であり、特認校制度(児童・生徒が通学する学校については、教育委員会が定めた通学区域により指定しているが、通学区域(校区)外からの入学(転校)することができる制度)の導入や小中一貫校を運営してはどうか。

本市では、地域の特性を生かした体験学習や個に応じたきめ細やかな学習指導が行われている。特認校制度や小中一貫校は、地元住民の理解を得ることなど、多くの課題があるため慎重に研究する必要があると認識している。

総持寺駅周辺のまちづくりは

(仮称)JR総持寺駅の設置に当たり、阪急総持寺駅を含めた総合的なまちづくりのチャンスとして捉え、まちの魅力向上、活力アップにつなげることについて、どう考えるか。

(仮称)JR総持寺駅の設置を、阪急総持寺駅を含めた地域のにぎわい創出や魅力増進の契機としてとらえ、両駅を連絡する道路整備を進めるなど、地域の暮らしを支える拠点づくりに取り組んでいく。

自由民主党・絆

上田 光夫〔質問者〕
福丸 孝之、下野 巖、上田 嘉夫、中内 清孝、辰見 登

西口駅前に現代美術の拠点を

JR茨木駅西口については、大阪万博の歴史ある駅前風景を残しながら、現代美術の拠点となる場所として、再開発してはどうか。

駅前の再開発については、都市のシンボル空間としての役割を担っていること、文化や芸術が都市の魅力と活力を生み出すという考え方を大切にしながら取り組んでいきたい。今後、駅前から、新たな文化が生まれ、発信できるような方策も考慮しながら、検討していきたい。

イルミネーションの見直しを

平成25年度は、光の回廊事業として実施したイルミネーションは、予算約3千万円で約8万人の来場者があった。茨木フェスティバルでは、予算約1千万円で約17万人の来場者があり、予算規模と効果を考慮すると、今後、大幅な見直しが必要ではないか。

光の回廊事業は、まちのにぎわい創出を目的に、従来の会場に加え、新たに元茨木川緑地に桜並木をイメージしたイルミネーションを装飾するなど、茨木らしさの演出やイベント等を開催した。今後、経費削減も含め、市の魅力や認知度を高める事業となるよう、実行委員会の中で協議していく。

医療施設の誘致を

市民の健康について、医療体制充実のために、近隣自治体との広域連携を考えると同時に、財政的に可能な範囲で、医療施設の誘致を検討してはどうか。

医療体制の充実は、市民にとって安心感が増すものと考えるが、医療施設の誘致については、市内の既設病院への影響や本市の財政負担の可能性等、さまざまな課題がある。市としては、市内病院の体制の充実を第一義に対応していきたいと考えている。

授業の雰囲気をつくる方策は

義務教育である中学校の授業の中で、着席して授業を聞く等、最低限の教室の雰囲気をつくる必要があると考えるが、地域の方の協力を得て、授業中の受講姿勢を注意してもらう等の方策を検討してはどうか。

義務教育は、すべての子どもが学ぶ意欲が満たされ、一定の学力が保障されなければならないものと認識している。教室の秩序回復のために、小・中学校が連携した生徒指導体制をとるとともに、地域人材等の外部人材も含めたチームによる支援が有効と考えており、さらなる取り組みの充実に努めていく。

債権徴収部門の強化を

財源の確保のために、全庁的な徴収部門の連携強化を行うということであるが、具体的にどのような取り組みなのか。また、インセンティブを与える事を条件に、しかるべき機関に債権徴収業務を任せることも、債権の回収率の向上につながるのではないか。

徴収部門の連携強化については、市債権管理対策本部で、徴収方針の決定及び滞納者への対応方策を共有し、効果的な徴収を進めていく。また、債権徴収業務については、府県・市町村の連携による広域共同徴収に関する動きがあり、情報収集に努めるとともに、効果的な方策を考えていく。

子どもの幸せを考えた施策を

真に子どもの幸せを考えると、可能な限り家庭で子育てに関わる時間を増やすべきと考えるが、在宅子育て家庭に何らかのインセンティブを与える等、子どもの幸せを第一義に考えた制度が必要と考えるがどうか。

子ども・子育て支援新制度の基本指針では、子育ての第一義的責任は保護者にあり、子どもの最善の利益が実現される社会をめざすとしている。この指針に基づき、育児休業の取得率向上や在宅子育て家庭への支援等について、議論を重ね、新たな次世代育成支援行動計画を策定していく。