いばらき市議会だより

市長の施政方針に各会派が代表質問

 3月4日に市長の施政方針の説明が行われ、これに対して、3月6日・7日に各会派が代表質問を行いました。
 主な内容は次のとおりです。

日本共産党

朝田  充〔質問者〕
大嶺さやか・畑中  剛

公契約条例の制定は

公正労働基準、環境、福祉、男女平等参画等の施策を具現化するための公契約条例の検討と今後の取り組みはどのようなものか。

契約制度の公正性や品質確保を求める取り組みについては、継続的に行っており、平成24年末に、公契約制度の調査・研究のための「公契約制度調査検討部会」を設置したところである。

国保・介護保険料引き下げを

使用料・手数料や公共料金等の引き上げをやめ、国民健康保険料や介護保険料等を引き下げ、暮らしを下支えする施策推進へと転換すべきではないか。

現行の使用料・手数料は、利用と負担の原則に立った税負担の公平性の確保から、適切に設定している。また、各種保険料や公共料金は、独立採算の原則に基づき、市民の負担も考慮しながら、適正に設定しており、今後も適切な運用に努めていく。 

プロジェクト推進の根拠は

施政方針の中で、大規模プロジェクトの推進が、地元経済の活性化となり、雇用を生み出すとしているが、その根拠は何か。

駅前の再整備や主要プロジェクトは、将来のまちの発展のための基盤整備として取り組むもので、活力ある地域経済や雇用創出の基盤となるものと考えている。

維新の会・みんなの茨木

大野 幾子〔質問者〕
塚   理・長谷川 浩・滝ノ上万記・中井 高英・山崎 明彦・山本 隆俊

若手芸術家への支援を

若手芸術家の発掘・育成をしていくということであるが、才能や感性が発揮、発信できるような支援体制について、どのように考えているのか。

若手芸術家に発表の機会を提供するため、市民グループなどから構成する実行委員会の企画、立案によりコンテストを実施していく。市としても、若手芸術家の発掘・育成につながるよう支援していきたい。

職員基本条例の制定は

職員の能力とやる気を高める人事・給与制度に期待しているが、頑張っている職員にインセンティブが付与されるような職員基本条例を制定する考えはあるのか。

職員の能力とやる気を高め、頑張った職員が報われる人事制度の構築を基本に、制定に向けて、検討していく。

新しい総持寺のまちづくりは

平成30年の(仮称)JR総持寺駅の開業にあわせて、阪急総持寺駅周辺の整備と一体化した「新しい総持寺のまち」の実現が必要ではないか。

総持寺地域については、総合的なまちづくりを進めていくことが必要と考えており、阪急総持寺駅周辺の歩道設置や市道庄中央線の拡幅に取り組み、府道総持寺太田線の整備についても府と協議していく。

中学校給食は全員喫食を

平成25年4月から、選択制の給食として中学校給食が始まるが、中学生の食の充実、食育を進める観点から、全員喫食の教育的意義は高いと考える。このような観点で全員喫食の導入を検討してはどうか。

選択制の給食においても、食の充実や食育の推進は可能であり、喫食率を高めることで、よりその効果があらわれるため、普及促進に努めていく。なお、全員喫食の実施については、経費や場所等の課題もあるが、4月からの状況を検証しながら検討していきたい。

コミュニティビジネスの視点を

高齢者が働く場所、生きがいや張りあいづくりの場を生み出していくことは喫緊の課題と考えるが、街かどデイハウスの手法をコミュニティビジネス(地域の課題を地域住民が主体的に、ビジネスの手法を用いて解決する取り組み。)として活用してはどうか。

街かどデイハウスは、高齢者福祉という分野で、コミュニティビジネスの主体となり得る団体であり、今後、事業の推進に当たり、コミュニティビジネスの視点を踏まえ、支援していきたい。

就労支援の具体的内容は

生活保護受給者への就労に向けた支援の具体的な内容は、どのようなものか。

平成25年度から、さらなる就労支援事業の強化を図るため、就労意欲や就労能力の低い生活保護受給者に対し、専門講師による個別セミナーや面接等の研修を実施し、一層の就労支援の充実を図っていく。 

赤ちゃんの駅の導入を

子育て支援の中で、子ども連れでも気軽に外出できるよう、誰でも授乳やおむつ替えなどができる「赤ちゃんの駅システム」を導入してはどうか。

子ども連れで外出しやすい環境の整備として、公共施設に授乳室の設置を進めており、近年では図書館に設置したところである。今後も、「赤ちゃんの駅システム」の検討を含め、環境整備に努めていく。

自由民主党・絆

中内 清孝〔質問者〕
福丸 孝之・上田 光夫・下野  巖・上田 嘉夫・辰見  登

予算編成の留意点は

新年度事業計画と予算編成は、厳しい財政状況を踏まえ、作成されたものと認識しているが、編成への思いと特に留意した点は何か。

厳しい財政状況の中、今必要なサービスの充実に向け、安全・安心・健やかな市民生活の維持向上と将来の活力あるまちの創出への道筋を考えて予算を編成した。留意点としては、主要プロジェクト事業の推進には、国の大型補正予算等の活用で財源を確保し、将来の財政負担軽減のため、市債発行の抑制に努めた。

JR茨木に新快速停車を

JR茨木駅に新快速を、また、阪急南茨木駅に特急が停車するよう、鉄道会社に働きかけていくべきと考えるがどうか。

平成27年4月の立命館大学開学に伴い、学生等の利用により両駅の需要が増加すると考える。市として、市議会、大学、企業、市民等と連携しながら、それぞれの鉄道会社に要望していく。 

中長期投資的経費の予測は

中長期の投資的関連経費の見通しにおいて、立命館大学、彩都、東芝工場跡地、安威川ダム、新名神、総持寺新駅、それぞれの関連事業の完了までの総額と年度別支出予測はいくらか。

現時点における市負担総額の予測は、立命館関連が約39億円、彩都関連が約20億円、東芝工場跡地関連が約2億円、安威川ダム関連が約18億円、新名神関連が約4億円、( 仮称) JR総持寺駅関連が約12億円である。年度別では平成29年度までに集中し、各年度約20億円前後の市負担額を見込んでいる。 

小児救急の広域化の考え方は

小児救急の広域化については、どのように進めようとしているのか

三島2次医療圏の3市1町では、平成25年4月から広域的な連携体制を開始する。これは、専門医師や専門看護師が配置され、充実した検査体制を持つ高槻島本夜間休日応急診療所を利用するもので、万が一、重症の場合は併設の三島救命救急センターへの転送も可能となる。

市債残高の推移と考え方は

市債残高は増加傾向にあると考えるが、今後10年間の推移と市債発行の抑制、償還計画の一般的な考え方はどうか。

市債残高は、平成27年度にピークを迎え、650億円程度と予測している。残高抑制の一般的な考え方は、新規発行額を元金償還額以下に抑えることが基本で、公債費比率10%を超えないことが健全性の目安となっている。

国際戦略総合特区の税軽減は

彩都西部地区や東芝工場跡地における茨木市国際戦略総合特区への市税軽減制度の考え方と内容は、どのようになっているのか。

特区における市税の軽減措置制度は、産業集積の促進と産業の国際競争力の強化を図るためのものである。対象は、法人市民税、固定資産税、都市計画税の3税目で、軽減割合は、特区に新たに進出した後、5年間がゼロ、続く5年間が2分の1となる。 

民主みらい

友次 通憲〔質問者〕
安孫子浩子・中村 信彦・田中 総司

新エネルギー等への支援は

地中熱利用など、市民、事業者等を対象とした新エネルギー設備の導入支援や省エネルギー対策は必要であるが、過去の取り組みの総事業費、温室効果ガスの削減などの効果は、どのようなものか。

過去3年間の補助対象事業費は約24億円で、温室効果ガスの削減量は、平成22年度で約400トン、23年度で約800トン、24 年度で約1600トンとなっており、取り組みの効果があらわれている。

街かどデイハウスの拡充は

高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう、街かどデイハウス事業をどのような計画や方向性で拡充するのか。

現在、中学校区単位で、9校区10か所に設置しているが、新たに5校区に順次整備していく。また、安定的な運用のため、平成25年度から事業実績に応じた助成を行う。

ハートフルオフィスとは

就労が困難な障がい者を雇用するために、市役所内に(仮称)ハートフルオフィス(一般就労が困難な障害者を短期間、市職員として雇用し、障害者の就労を促進する事業。本市では、4月からスマイルオフィス事業として開始している。)を設置するが、その内容はどのようなものか。

ハートフルオフィスで、発送物の封入作業など、市役所内の各部署から依頼のある事務を行い、一般就労をめざす方については、職場実習終了後、6か月間雇用する事業を実施し、この事業を通じて、広く民間企業の障がい者雇用につなげていきたい。

長期的な視点での行政運営を

大型プロジェクトを抱える本市にとっては、今後5年間でインフラ整備に多額な費用が必要であるが、単年度収支バランスだけではなく、長期的な視点を持った行政経営が必要となると考えるがどうか。

これまで本市が培ってきた健全財政を根幹に、中長期的な見通しに立った財政運営が肝要であり、引き続き徹底した経常経費の節減など、財政規律の保持と市民サービスの充実に努めていく。

公 明 党

松本 泰典〔質問者〕
大村 卓司・青木 順子・篠原 一代・河本 光宏・坂口 康博

産業振興の推進体制は

安定的な財源確保のために、地域経済の維持・発展は必要不可欠であり、そのための産業振興ビジョンは最重要政策であるが、ビジョンを具体化し、確実に成果を出すためには、産業振興をより専門的に推進するプロ集団が必要であると考えるがどうか。

各種支援施策の情報収集や企業立地、中小企業向け融資に特化した研修を受講するなど、担当職員のスキル向上に努めているが、専門的な知識が求められる場合は、中小企業診断士や民間シンクタンクなどを活用していきたい。

中学3年生までの医療費助成を

子育ての経済的な不安を解消するため、医療費負担を軽減し、平等に医療が提供されることが重要であるが、小学3年生から中学3年生までの年齢拡大と所得制限を撤廃してはどうか。

厳しい財政状況のもと、対象年齢のさらなる拡大については、多額の財政負担が必要となることから、今後の課題であると考えているが、平成25年度には、利用者のニーズを踏まえ、小学6年生までの年齢拡大を行っていく。

障がい者の雇用促進は

障がいを持たれた方の雇用を確保することは大きな課題であるが、着実な就労成果をあげるために、どのような取り組みを行うのか。

(仮称)ハートフルオフィスの設置や就労支援福祉金の創設により、障がい者の就労意欲を向上させ、さらに、就労が困難な障がい者を支援する障害者就労支援センターの充実を図っていく。

防災・減災の取り組みは

東日本大震災以降、市では防災総点検を積極的に行ってきたが、今後、さらに、国の予算を活用した避難所の充実や、公共施設の非構造部材の耐震化などについて、どのように取り組むのか。

災害時要援護者支援の視点を取り入れた備蓄物資の強化や自家発電装置の整備などを含めた避難所の充実、さらには、天井、外壁、窓ガラスなどの非構造部材の耐震化などに活用していく。

待機児童の解消は

安心して子育てができる環境を整備するために、待機児童の解消には、緊急避難的に、あらゆる方策を講じるべきと考えるが、学校教育と児童福祉施設の性質を有する「幼保連携型認定子ども園」の設置など、総合的な対策を実施することについて、どのように考えているのか。

平成25年度、新たに保育幼稚園課を創設し、幼稚園と保育所待機児童の現状を踏まえながら、施設・事業のバランスや教育・保育の提供体制のあり方、また、その目標について検討を重ね、実情に応じた適切な方策を講じていきたい。

24時間対応の介護サービスを

地域や家族で見守ることができない高齢者を、公的サービスで支援することが必要であり、独居を含め、家族と同居している方にも夜間の訪問サービス等が求められるが、24時間対応の見守り体制づくりをどのように考えるか。

介護ヘルパーや看護師が24時間対応する「定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービス事業所」やヘルパーが行う「夜間対応型訪問介護サービス事業所」の開設を平成25年度に予定している。

茨木市民フォーラム

米川 勝利〔質問者〕
桂  睦子・小林美智子

市が振興する文化の対象は

本市で振興を促している「文化」の対象は、文化庁が示す「文化芸術」なのか、都市や産業発展、生活の質の向上までも含むものなのか。

これまでは総合計画に基づき、芸術・文化事業の鑑賞や発表の機会の充実、活動の支援や展開などを中心に取り組んできたが、今回、組織・機構改革を実施し、文化の振興と地域づくり、観光等との一体的、総合的な推進を、さらに図っていく。

収支悪化予測の要因は

行財政運営見通しについて、平成29年度以降、収支悪化の予測を立てているが、何が要因と考えているのか。また、市債の償還ピーク年次は、いつ頃と考えているのか。

少子高齢化による社会福祉経費の伸びや、主要プロジェクトに活用予定の市債の償還経費が市税収入等を上回ることで収支の均衡が図られないことが要因と認識している。また、市債の償還ピークは平成30年度前後と予測している。

補助金交付先の選定方法は

地域協議会の結成推進のために、新たな補助金交付先に5校区を選定するが、どのような手順で行うのか。また、地域担当職員へのファシリテーター研修を実施しているのか。

現在、組織化された地域協議会的な組織に接触し、選定していく。また、地域担当職員が地域協議会結成の支援等を行うには、ファシリテーター的な能力が必要であることから、今後、職員への研修を実施していきたい。