4月18日 手を触れない華麗な庖丁さばき 総持寺で「山蔭流庖丁式」

更新日:2021年12月15日

ページID: 41418
鯉を前に、儀式を行う庖丁士
さばいた鯉を奉納する様子
庖丁士によってさばかれた鯉

18日、正午から、高野山真言宗補陀洛山(ふだらくさん)総持寺(総持寺一丁目)の伝統行事の一つ「山蔭流庖丁式」が行われました。

この行事は、同寺の本尊造立の際、開山中納言藤原山蔭が本尊を彫る仏師に千日間にわたり、毎日異なる献立の料理でもてなしたことから、毎年、本尊開扉法要と同じ4月18日に行われています。現在行われている形式は室町時代から伝えられており、当主が賓客を前に、座敷にまな板をおき、料理をして見せたことに由来しています。

庖丁式は、境内の庖丁式殿(開山堂)で行われました。ここは、料理の神様として慕われる中納言藤原山蔭を祀っています。腕前を披露するのは、高吉政彦さん。山蔭流の調理師で作られた山蔭流京奉会(代表 茅ヶ迫正治さん)から選ばれました。今年奉納する鯉を前に、直垂(ひたたれ)、烏帽子などといった平安時代の装束に身を包んだ高吉さんは、右手に長さ約30センチの庖丁、左手には真魚箸(まなばし)を持ち、華麗な庖丁さばきを披露しました。堂内に流れる雅楽の調べに合わせて、一切手を触れずに鯉をさばくさまは圧巻で、観客からは拍手と歓声があがりました。

庖丁式を終えて、高吉さんは、「集中して、普段の練習どおり臨みました。無事にやり遂げることができて、ほっとしています」と語りました。妙技を堪能した女性は、「見事な庖丁さばきに驚きました。所作ひとつひとつから伝統を感じ、大変感動しました」と話していました。