3月5日 茨木市の特産物「三島独活(うど)」の収穫が最盛期を迎える

更新日:2021年12月15日

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三島うどを収穫する中井さん
三島うどの収穫の様子
三島うどの収穫の様子

市の特産物として親しまれ「なにわの伝統野菜」に認定されている『三島独活(うど)』の収穫が、千提寺地区の独活農家の中井大介さんの「独活小屋」で最盛期を迎えています。

江戸時代天保年間から市内山間部を中心に栽培されてきた三島独活は、栽培に手間がかかることなどもあり、長年後継者がいない状態でしたが、平成28年から中井さん夫妻が三島独活の栽培を引き継ぎました。「草やわらを発酵させて熱を作る、地球に負担のない農法を江戸時代からやっていたところに、三島独活作りの魅力を感じた」と話す中井大介さん。千提寺地区出身であることもあり、サラリーマンとして勤めていた会社を辞め、伝統農法の守り手になることを決心しました。

4月ごろの根株を育てることから始まる三島独活。育った根株を12月下旬に畑から掘り起こし、独活小屋の中にすき間なく植え込んでいきます。その上にわらと干し草を積み重ね、遮光、発酵させることで、白くて柔らかい独活を育てる「上室(うわむろ)栽培」を行います。

干し草とわらが発酵すると、室の中心は最大35度まで温まり、やがて独活の根株から芽が伸びて、干し草とわらを自力で押し上げていきます。独活の成長に適した温度は20℃前後。その温度より低い場合には独活が成長せず、高すぎる場合には独活の株が腐ってしまうため、温度調節が一番難しいとのことです。

5日、太さ3センチ長さ65センチほどに伸びた独活を、一本ずつ根元から切り採っていた中井さんは、「今年は1月ごろの冷え込みが厳しかったので、多く熱を生み出せるよう、室を厚くするなど温度調節にとても気を使いました。そのかいあってみずみずしく育ち、味も抜群です」と話しました。

三島独活は、色白で香りが良く、やわらかいがシャキッとした歯ごたえで、あくも少なめです。その風味を生かして、生のまま酢のものやサラダで食べるのも、肉や油との相性も良いので、すき焼きや天ぷらにしても美味しくいただくことができます。
収穫は3月下旬まで行われる予定です。