9月29日 川端康成文学館、秋季テーマ展示「川端康成と京都ー『古都愛賞』をめぐってー」

テーマ作品「柊家(ひいらぎや)」を観覧する女性
「古都愛賞」の原稿を見る観覧者のシスター
「古都」の特装本を見る観覧者

川端康成文学館(上中条二丁目11-25)で開催中の秋季テーマ展示「川端康成と京都-『古都愛賞』をめぐって-」では、今回が初公開となる「古都愛賞」「古都愛賞にこたへて」の自筆原稿を展示しています。

『古都』は京都を舞台に双子の姉妹の数奇な運命を描いた川端康成の代表作で、昭和36年(1961年)10月8日から翌年1月23日まで朝日新聞に連載されました。その連載中に、『広辞苑』の編著者として知られる言語学者で、京都大学教授を務めた新村出(しんむらいづる)氏が、同紙のPR版に寄稿した一文が「古都愛賞」。「いまこの作品を読むにつけて、人並み以上に深高な情緒がたぐり起こされる」と、賞讃のことばがつづられています。これに対して康成は同紙に「古都愛賞にこたへて」を寄稿し、感謝の想いや創作の裏話などをつづり、新村氏に応えました。

同展では、これら2つの自筆原稿を初公開しています。その他にも、康成が京都での常宿にしていた旅館「柊家(ひいらぎや)」の写真パネルや東山魁夷(ひがしやまかいい)自筆表紙の特装本『古都』などを展示しています。

この日訪れた観覧者は「作品は知っていましたが、『古都』をめぐってこのように貴重なやりとりがあるとは知りませんでした。観覧できてよかったです」と、『古都』への関心を深めていました。川端康成文学館の高橋館長は「今年は『古都』の刊行から55年、新村出の没後50年にあたります。文豪と偉大な言語学者、それぞれの京都に寄せる思いを伝える貴重な資料をぜひご覧ください」と本テーマ展の意義を語りました。

なお、同展は11月30日まで開催しています。入場無料。火曜日、祝日の翌日は休館。