10月30日 雅な雰囲気のなか香の世界を楽しむ 川端康成文学館で源氏香体験

更新日:2021年12月15日

ページID: 26121
香炉の扱い方を学ぶ参加者の写真
源氏香の様子の写真
香炉の写真

30日、上中条青少年センターで、源氏香(げんじこう)の体験を行いました。これは、川端康成が源氏物語を愛読し、作品にも影響を及ぼしたことにちなみ、源氏物語について学ぶ文学講座の一環です。

華道や茶道と同じく、香木の香りを鑑賞する作法にも「香道」があり、香りを嗅ぐことを「香を聞く」といいます。

源氏香とは、香道のなかでも香の異同を当てる遊び「組香」の一種。源氏香では5つの香を聞き、何番目と何番目が同じだったかを香図と呼ばれる縦5本の線を基本とする記号で示します。香図は全部で52種類あり、ひとつひとつが全54帖ある源氏物語の桐壺と夢浮橋を除いた52帖の巻名と対応しています。参加者は香を聞き分けたあと、紙に墨と筆で、香図と巻名を書き記して回答します。

この日、体験に参加したのは18人。キャンセル待ちがでるほどの人気でした。講師で香道泉山御流直門師範の山中典香さんの指導のもと、参加者は、香炉が順番に回ってくると、慎重な面持ちで香を聞き分けます。香炉からほのかに立ち上る甘い香りやさわやかな香りを楽しみつつも、参加者らは頭を悩ませ答えを記入していました。

今回の正解は、2番目と4番目が同じである「篝火」。組香のなかでも難しいとされる源氏香だが、2人の正解者が出た。見事当てた女性は、「2番目と4番目が同じなのはすぐわかりましたが、1番と5番もとても似ていて、答えにすごく悩みました。でも、正解を当てられてとても嬉しい」と、笑顔で話していました。

そのほか、「香道はいつの時代に流行ったのですか」という質問に、「江戸時代です。平安時代の雅な宮中文化への憧れから、香りを楽しむということが流行しました」と講師が答えるなど、日本の伝統文化に親しみつつ、会場は大いに盛り上がりました。